
数寄ゲームズはQuined Gamesの新作「Goa」日本語版の予約販売を行います。「Goa」は「イスタンブール」などで知られるリュディガー・ドーンの代表作の一つで、プレイヤーはインド第2の都市ゴア近辺を舞台に最も裕福な商人となるべく競りとパラメータ上げにいそしみます。……そう言えば「Movers & Shakers」もインド舞台のゲームなんですけど、Quined Gamesはインドが好きなんですかね。
Goa(仮題)
プレイ人数:1-4人
プレイ時間:90分
対象年齢:12歳以上

大航海時代テーマのゲームではありますが、マップ上の航行などの要素はなく、ユーロゲームらしいテーマ性が薄く抽象度の高いゲームです。このゲームの魅力的なポイントは90年代ドイツゲームの魅力であるシビアな競りと、00年代以降のユーロゲームの魅力である顕著なパラメータ上げ、成長要素を巧みにミックスしたところにあります。
2つの時代のいいとこどりのデザインなので、インタラクションを豊富に備えつつも自分の手元を育てていかないと勝てない作りのゲームです。とは言え、ルールは平明でわかりやすく、特殊効果をまぶした華やかさもあり、多くの人が楽しめるバランスのいい内容となっています。程々の運要素もありますが、より競技的に遊びたい人向けに今回のDX版では運要素を低減するオプションルールを選ぶこともできます。
さて、このゲームの特徴的かつ中核部分となるのが「競り」で、各ラウンドの前半部分でプレイヤーはボード上の様々なタイルを競りあうことになります。
どのタイルが競りにかけられるかは「ドーン歩き」的な動きで決まります。各プレイヤーは自分の駒を置いて競りにかけるタイルを選ぶのですが、この時に前のプレイヤーが置いたタイルに隣接する(斜めも含む)タイルを選ばなければならない縛りがあります。
逆に言えば、自分の選択によって次のプレイヤーが競りにかけるタイルを縛れるということで、そうした駆け引きも踏まえてタイルを選ぶ必要があります。
ちょっと面白いのは各ラウンドで競りはプレイ人数+1回行われます。この+1回とはなんぞやというと、これが「スタートプレイヤーの権利の競り」なんですね。
まあ、どちらかと言えばこれは落札のおまけで、ついてくる追加アクション1回分の権利がメインだったりもするんですけども、スタートプレイヤーになると次ラウンドの競りをどこから始めるか決められるので、ゲーム後半はこれがかなりのアドになってきたりもします。

画像で示すと、1の駒がスタートプレイヤーの権利の競りです。で、2番手のプレイヤーは1の駒に隣接する3枚のタイルから競りにかけるものを選ばないといけないので、左のタイルを選んだという形になりますね。
競りにかけられるタイルは大きく5種類に分けられます。商品を保管する倉庫となる茶色タイル、即時効果で様々なものが得られる水色タイル、毎ラウンド収入が得られる青タイル、ゲーム中1回だけ使用できる効果を得る黄色タイル、ゲーム終了時得点の紫タイルです。
で、各プレイヤーが1枚ずつ、今回競りにかけるタイルを決めたところで実際の競りが始まります。本作の競りは1周競りで、値付けできる回数は各人1回だけです。
値付けは自分の駒を置いたプレイヤー(競り主)の左隣から始めます。つまり、競り主は1番最後に競り値をつけられる優位な立場にありますね。
さて、競りは1番手から順番に競り値を吊り上げるかパスをします。ただし、最後のプレイヤー、つまり競り主は最高額より1金安い金額で落札することができます。

イラストでは最高額は緑プレイヤーがつけた5金となりますが、競り主でもある紫プレイヤーは最高額より1金安い4金で落札できるわけです。
さて、競り主が自らタイルを落札した場合、銀行にそのお金を支払います。イラストで言えば紫プレイヤーは銀行に4金を支払います。
しかし、例えば、紫プレイヤーが落札せずにパスした場合、代わりに落札した緑プレイヤーは競り値の5金を銀行ではなく紫プレイヤーに支払うことになるのです。
なので、紫プレイヤーは実際にはこの局面では「4金を支払ってタイルを落札する」か「緑プレイヤーから5金をもらう」かを悩み、前者を選択した、という場面になるのです。
先ほど、駒を置いた競り主は落札しやすい立場で有利と言いましたが、一方で自分にとってはいらないタイルでも、他人が高値をつけるようなタイルを選ぶことで人からお金を巻き上げることもできます。自分が落札すべきなのか、それとも他人に譲るべきなのか…… 本作はこのゼロサム的な競りのインタラクションが実に熱く激しいゲームと言えます。
さて、競りは最も所持金の多いプレイヤーが相場を牛耳るリーダーとなるメカニクスです。そりゃ全額突っ込んだら絶対競り落とせるワケですからね。
本作の競りはそうしたリーダーの役回りがコロコロ入れ替わるダイナミクスが大きな魅力です。さっきまでリーダーだったプレイヤーが次の瞬間にはリーダーに従う立場に後退したり、逆に目立つ動きのなかったプレイヤーが高額を得て突如リーダーに上り詰めたりと。一瞬たりとも気の抜けない相場の荒波を肌身に感じることができる作品です。
さて、競りが終わるとラウンドは後半に移ります。ラウンド後半では各プレイヤーは様々なリソース(船、商品、お金、カード、交易所)を入手する5種の生産アクションに加え、アクション効率を高める開発アクションの合計6種のアクションから計3回を行います。

個人ボードには5つの列があり、それぞれの列はアクションと得られるリソース数が示されています。

図の画像では商品を生産するアクションを選択したもので4つの商品を生産して、対応する倉庫に保管しています。
各アクションで生産されるリソース数は自分の駒が置かれている段によって決まります。生産効率を高めるためには、まず「開発アクション」を行う必要があるのですが、開発アクションを行うには次の段に移るためのコストを支払わなければなりません。

このイラストでは開発のコストとして茶色とピンクの商品を支払う必要があることを示しています。さらに商品1つごとに1枚の船カード(合計2枚)も必要です。
こうした船や商品は対応する生産アクションを行うことで入手できるのですが、生産アクションを打つ前に開発アクションで生産効率を上げておきたいよね…… という「鶏が先か卵が先か」のジレンマで悩むことになります。ラウンド前半の競りもラウンド後半でどのアクションを打つべきかを考え、それに合わせてタイルを選択する必要があり、中長期的な計画性が重要なゲームと言えます。
特に商品を保管する倉庫はゲーム開始時は全くの0なので、早いうちに倉庫を入手しないと成長が止まります。商品がないと開発アクションが打てないですからね(船カードはゲーム開始時に4枚貰えます)。
そう、このゲームは倉庫が必要…… ただ、まあ、卓を囲むメンツがね…… ちゃんと空気の読める人ばかりなら、みんなが倉庫を買えるように駒を置いてくれるんですけども、そうじゃない場合はね…… まあ、不幸にも倉庫を手に入れられない人も出てくる可能性もあるかもね…… 悲しいけどね…… という、ゲーム開始直後から「君たちわかってるよね?」とお互いに牽制しあうゲームなんですこれ!
仮に倉庫が買えなかった場合は、入植地……じゃなかった、それは旧版の名称でした…… 交易所を設立するアクションを行うことで商品を保管できるようにもなりますが、交易所の設立には運要素が絡むので場合によってはスタートダッシュで躓くおそれもあります(なおDX版では交易所設立の運要素を削るバリアントルールも用意されているので、旧版でその辺の粗さが気になってたぼくのような人も安心です)。
こんな感じで競りとアクションの2フェイズで構成される全8ラウンドを行い、
最終的に勝利点が高い人がゲームに勝利します。勝利点の大半は個人ボードの成長具合から稼ぎ出すものなので、いかに効率よくリソースを集めて開発アクションを行うか、というところに焦点が当てられています。
……と言っても、成長具合は全員大体同じぐらいに着地するので、それ以外の盤外点をどう稼ぐかが実は重要だったりするんですけども。「アグリコラ」みたいなこと言ってますね。

今回数寄ゲームズで取り扱う日本語版はDX版の2種となり、リテール版は取り扱いません。これまでのタイトルで言えば「カーネギー」「ストゥポル・ムンディ」ではなく「シカゴ1875」に近い販売形態となります。
そのため、一般流通の機会は限定的になるかと思います。どうぞこの機会にお買い求め頂ければ幸いです。
製品内容については下記の比較の通りとなりますが、Merchant ecition(中央)とGovernor edition(右)の違いはタイルが木製かアクリル製かの違いだけになります。それ以外の部分についてはDX版2種に相違はありません。また今回取り扱うDX版ではQuined Gamesの得意とする機能性の高いゲームインサートもついてきます。

商品の到着は2027年の3月を予定しております。ただ、Quined Gamesは計画に遅延が生じることがままあるので、実際は3ヶ月から半年の遅れが生じる可能性が高いです(「シカゴ1875」は2025年7月到着予定とアナウンスされていましたが、実際には10月着という形になりました。現在進行中の「Movers & Shakers」も予定より遅延が起きています。)
計画の遅延等が発生した場合は適宜アナウンスさせていただきます。

同時発売のアドオン製品はCaptainsミニ拡張です。ゲーム開始時に非対称能力をプレイヤーに与える今風の追加要素で、こちらも数寄ゲームズで取り扱い予定です。
その他内容物の詳細等はGamefoundのページをご覧ください。
Goa by Quined Games
ゴアDX版は近日中に数寄ゲームズ通販サイトにて予約受付を始めたいと思いますのでどうぞ続報をお待ちいただければと思います。


















































