ルールPDFは
こちら。サイズは60MBほどです。
ゲームの詳細についてはルールをお読みいただければと思いますが、ここでは簡単にゲームの概要について紹介しようと思います。
「ペーターと2匹の牧羊犬」は、トリックテイキングとマンカラの要素を併せ持つゲームで、その目的はなるべく多くの動物を自分のナワバリに集めることです。
1ラウンド中、2回の得点計算のタイミングがあって、その時に動物がどのエリアにいるかで得られる忠犬ポイント(得点)が決まります。
・「草地」にいる家畜 1匹につき、3忠犬ポイント
・「ゴール柵」の中にいる家畜 1匹につき、6忠犬ポイント
・「小屋」に帰した家畜 1匹につき、10忠犬ポイント
つまり、同じ家畜1匹にしても 草地 < ゴール柵 < 小屋 の順序で得点が増えるワケです。より小屋の近くまで家畜を誘導するほど主人のペーターから忠犬と評価されるワケですね。
で、それではどうしたら家畜を自分のナワバリに呼び寄せられるのかというと、ここでトリックテイキングが絡んできます。
ゲームでは1ラウンド中に11回のトリックを行うのですが、マストフォローノートランプのトリックテイキングを行って、トリックに勝ったプレイヤーが今回プレイされた動物2匹を獲得して草地に配置します。単純に言えば、トリックに勝つことで6忠犬ポイントを獲得できるということですね。
そして、草地に集めた家畜は今度は柵の中へ、小屋の中へ移動させたいワケですが、それにはトリックに負ける必要があります。トリックに負けることでプレイヤーはマンカラのアクションを実行する権利を得られるワケです。
草地からゴール柵に家畜を移すことができれば単純に3忠犬ポイントが得られますが、しかし、マンカラの動きによっては合計得点が減ることもありますし、相手に家畜を与えてしまうこともあるかもしれません。
なので、状況によってはマンカラをすることで却って不利になる局面もあります。
そんなマンカラを積極的に狙う利点は大きく2つあります。
・狼コマを相手の草地やゴール柵に送り込む
・マンカラを3回連続で行うことで得られる「働き者ボーナス」を狙う
狼コマは家畜コマとは異なり、ナワバリにいるとマイナス点になる邪魔者です。草地にいる狼コマは-3忠犬ポイントのペナルティを負ってしまいますし、ゴール柵に入った狼コマは、既にゴール柵の中にいる家畜コマを食べてしまいます。
そんな邪魔者の狼コマですが、マンカラをうまく利用することで、相手の草地やゴール柵に送り込むことができます。なので狼を絡めてマンカラを行えれば、忠犬ポイントを稼ぎつつ、相手の忠犬ポイントを削る動きもできます。一石二鳥のムーブと言えましょう。
もう一つ、マンカラで最後の動物を自分か相手のゴール柵に入れた場合、もう1回追加のマンカラを行うことができます。この追加のマンカラは複数回発生する可能性があり、1手番で3回連続のマンカラを行った場合、「働き者ボーナス」というボーナス得点を獲得できます。しかもこの「働き者ボーナス」は早いもの勝ちなので、なるべく相手より先にボーナスを獲得したいワケです。
そんな感じで、「トリックに勝って自分の草地に動物を集めてから、タイミングよくトリックに負けてマンカラを行う」という流れがこのゲームの基本戦術になります。もちろん、相手も同様の動きを狙ってくるので、慣れてきたプレイヤー同士だとお互いの仕掛けをいかに崩して自分の形を作り上げるかというような差し合いの勝負になったりします。
この自分の陣形を整えてから攻撃という流れや、それを崩すための牽制は、なんとなく対戦型パズルゲームっぽい駆け引きがあるように感じます。
そうそう、もう一つ、家畜を小屋に帰す方法ですが、マンカラを行う機会を得たものの草地に動物が1匹もいない場合に限り、ゴール柵にいる家畜コマを1匹小屋に移すことができます。小屋に移された家畜コマは狼の襲撃から逃れることができるので、得点の安定化が図れます。
さて、こんな感じでトリックを繰り返すと得点計算の機会が訪れます。1ラウンド11トリックの間に得点計算の機会は2回。1回目は5トリック目が終わった直後、これを「春の得点計算」と呼びます。2回目は11トリック目が終わった直後で、こちらは「夏の得点計算」と呼びます。
春も夏も得点の算出方法は前述の通りなんですが、春の得点よりも夏の得点が低かった場合、主人の期待に応えられなかったために「見掛け倒しペナルティ」が発生して、
どれだけ多くの動物を集めたとしても夏の得点は0点になってしまいます。 逆に夏の得点が春の得点の2倍以上だった場合、主人の期待以上に働いたことを評価される「やればできる子ボーナス」が発生して、
春の得点が2倍になります。 春の得点計算の終了後にはゴール柵に集めた動物はペーターがどこかに連れていってしまうので、春に得点を稼ぎすぎると却って夏の得点が伸びなかったりもします。夏の得点次第では大逆転も起こりうるので、最後まで気を抜けない仕組みになっています。