2015年04月27日

犯人は踊るポーカー まとめ

 ゲームマーケット2015大阪で販売しました犯人は踊るポーカーのまとめ記事です。




※上の画像2点はゲームの紹介用途に限り、自由に使って頂いて構いません。

犯人は踊るポーカーは、テンデイズゲームズさんの店頭や通販やAmazonで購入することができます。
 →テンデイズゲームズさんの通販ページ
 →Amazon

ゲーム紹介
大阪ゲームマーケットに「犯人は踊るポーカー」を出展します(全体的な概要)
犯人は踊るポーカーってこんなゲーム(ゲームの流れについて)
犯人は踊るポーカーのマニュアルを公開します(マニュアル公開)
インストで役立つかもしれない、犯人は踊るポーカーのフレーバーの話(フレーバーについて)
「犯人は踊るポーカー」上級ルールマニュアルを公開します(大阪ゲムマ、2015春ゲムマ前に購入した人向け)

製作記録
犯人は踊るポーカー製作記録 ユルいがシリアスになったワケ
犯人は踊るポーカー製作記録 カードデザインはどうしましょう?
犯人は踊るポーカー製作記録 パッケは岩○で行きましょう!

 犯人は踊るポーカー
 対象人数:3〜4人
 対象年齢:10才〜
 プレイ時間:10分
 店頭価格:850円(イベント価格:500円)
 ゲームデザイン:円卓P
 アートデザイン:鍋野たま

 内容物
 箔押しカード 5枚
 説明書 1部
posted by 円卓P at 20:22| Comment(0) | 犯人は踊るポーカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月30日

「犯人は踊るポーカー」上級ルールを検討中です

 各地のゲームショップで「犯人は踊るポーカー」の販売が始まりました。テンデイズゲームズさん、すごろくやさん、ロール&ロールステーションさんなどで販売しています。
 それにともないまして、より幅広く「犯人は踊るポーカー」を楽しめる「上級ルール」を現在検討しています。この上級ルール、できれば春ゲムマまでに纏めてルールを公開・配布したいなあと思っています。
 検討している「上級ルール」の「初級ルール(現在頒布されているマニュアルのルール)」からの変更点は以下の3点です。

・カード交換で指差したカードが被った場合、より強いカードを持っているプレイヤーがカードを得ます。

・2回目のカード交換では「被害者」を指定できません。指定できるのは「自分以外のプレイヤーの手札」です。

・「初級ルール」では選択ルールだった2ゲーム先取を正式なルールにします。


 もう少し具体的な説明をしましょう。

・カード交換で指差したカードが被った場合、より強いカードを持っているプレイヤーがカードを得ます。

 現在の「初級ルール」では指差しが被ると(バッティングすると)、バッティングしたプレイヤー双方がカード交換の機会を失う仕様になっています。
 「上級ルール」ではバッティングが発生した場合、バッティングしたプレイヤー同士、お互いの手札を見せ合い、よりランクの大きなカードを持っているプレイヤーが先ほど指差したカードを獲得します。(ランクの小さなカードを持っているプレイヤーはカードを得られません)
 なお、3人以上のプレイヤーがバッティングした場合、カード交換は行われません。これは「初級ルール」と同じです。

情報量の増大とプレイ指針の付与
 まずバッティングしても情報が貰えます。これが大きな変更点です。
 また、ランクが勝敗判定だけでなくバッティングにも影響を及ぼすため、手札がプレイヤーに行動指針を与えます。1回目のカード交換も積極策か安全策か、カードのランクを参考にして臨むことができます。
 また、バッティングが発生した場合、他のプレイヤーはカードのやりとりからそれぞれのランクの大小を窺い知ることができるため、薄い情報が入手できます。これも情報量の増加に寄与します。
 反面、カード移動がやや煩雑になります。具体的には下記を参照して頂ければと。

カード交換例1(クリックで最大化します)

カード交換例2(クリックで最大化します)


・2回目のカード交換では「被害者」を指定できません。指定できるのは「自分以外のプレイヤーの手札」です。

 「初級ルール」では、カードの交換対象は「自分以外の相手プレイヤーの手札」と「被害者」のいずれかでしたが、「上級ルール」では、2回目のカード交換は「自分以外のプレイヤーの手札」しか指定できません。(※2人戦の「ゲスト」は「初級ルール」と同様に指定できます)

情報格差の強化と逆転性の抑制
 「被害者」を固定することで「被害者」の情報価値をより強めます。1回目の交換で「被害者」にタッチすることが重要になりますが、同時にバッティングの可能性も高まります。
 また、「被害者」の入れ替えをなくすことで、逆転性を抑制します。事件の帰趨を定めた上で、2回目の交換はプレイヤー同士の手札交換に焦点を絞る意図です。
 フレーバー的には1回目の交換が「問題編」、2回目の交換が「解決編」という感じでしょうか。

・「初級ルール」では選択ルールだった2ゲーム先取を正式なルールにします。

 これはまあ、書いた通りで。2ゲーム先取だと4人戦なら最大5ゲーム続ける形になりますが、このゲームはちまちまと繰り返して遊ぶのが楽しいのと、1回だけだと初回で脱落して終わってしまうのが寂しいので、2ゲーム先取を標準化するのがいいんではないかなという判断です。
 あとまあ、2ゲーム先取だとリーチをかけたプレイヤーとそうでないプレイヤーが出てきます。そうなるとトップ叩きめいたインタラクションも生まれるので、連続して遊ぶことで遊び方にもメリハリが生まれるのではないかなと思います。

 こんな感じで「上級ルール」は特に情報の扱いに関して「初級ルール」よりも踏み込んだ形になっています。上記の3つのルール変更により、プレイヤーはよりロジカルな動きを求められることになります。

 ……で、実際のところ触感はどうかと言いますと。ぼくがテストをしてみた限りでは、情報量が増えたことで「初級ルール」よりも勝負に納得の行く形になったかな、という印象があります。あと、割とプレイヤーの学習と理解が反映されるゲームになりました。
 ただまあ、情報量が増えすぎて処理しきれないという方も中にはいらっしゃるかもしれません。この辺はどこまで負荷をかけていいのかしら、というところがぼくの回りの狭い事例だけでは判断が難しくて悩ましいところです。
 ただ、見通しは格段に良くなるので、ゲーム好きなら「上級ルール」の方が肌に合うのではないかなあと。

 ともあれ、春ゲムマまでの限られた時間で、なるべくこのルールを磨き上げたいとは思っていますので、「犯人は踊るポーカー」をお持ちの方で、「上級ルール」に興味をお持ちの方はぜひぜひ上記の形でプレイして頂いたり、このブログやツイッターアカウント(@horiken0)までご意見・ご質問・感想を頂けるとありがたいです。
 それらの声を参考にした上で最終的な「上級ルール」を策定・公開したいと思っています。よろしくお願いします。
posted by 円卓P at 20:59| Comment(5) | 犯人は踊るポーカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月05日

インストで役立つかもしれない、犯人は踊るポーカーのフレーバーの話

 先日のゲームマーケット大阪では多くの方に犯人は踊るポーカーをお買い求め頂きました。本当にありがとうございました!
 早くもプレイされた方もいらっしゃるかもしれませんが、今週末が一番ホットに遊ばれる時期ではないかなと思っています。なので、これから犯人は踊るポーカーをインストする人向けにこのゲームのフレーバーについてお話したいと思います。インストの直接の助けになるかはわかりませんが、背景世界の理解と共有は時に場を暖める効果がありますね。

 さて、犯人は踊るポーカーは「一番小さな数字を持っている人が負け」という、言ってしまえばそれだけのゲームです。それだけのゲームなんですが、テーマとしてミステリを載せたのにはテーマとシステムの相補性を狙う意図があるワケでして、じゃあこの勝敗判定はテーマ的にはどう解釈できるのか、というのを解説したいと思います。
 この辺のお話的な意味あいを理解していると、勝敗判定の時に「あれ、どっちが勝ちなんだっけ?」という混乱を避ける事ができるのです。慣れてくると展開が早くなるのであまりそうしたフレーバーには頭が行かなくなるかもしれませんが、初めてのプレイの際にはこのゲームの背後に広がる世界を想像して貰うことでより一層このゲームを楽しめるのではないかと思います。


・「容疑者」について
 実は「容疑者」は最も名づけに困ったキャラで、このキャラは「容疑者であると同時に物語のヒロインであり、探偵が助けることを誓った薄幸の佳人。多分お嬢様」です。これを一言で表現するのは……難しかった!
 なので、キャラを発注する際には「ヒロインです! ヒロイン力高めでお願いします!」と鍋野さんの奥さんに伝えた記憶があります。赤いリボンでもつけて貰えばよかったですかね……
 ヒロインがそのまま黒幕っていうお話もありますので、そこはアレなんですが、まあ、このお話ではヒロインは純然たるヒロインということで、ランクは最大に設定されています。

・そもそもこのゲームのランクってなんだ?
 犯人は踊るポーカーの5枚のカードにはそれぞれ1〜5までの数字が振ってあるワケですが、この数値とは一体なんなんだ、と思われるかもしれません。
 これはミステリにおける各配役の社会的地位を数値化したもので、発言力・説得力と言い換えてもいいかもしれません。なので通常の勝敗判定の場合、最も発言が怪しいのは「犯人」ということになりますし、逆転が発生した場合最も怪しいのは本来ヒロインであるはずの「容疑者」になるワケです。


・勝敗の逆転について
 このゲームでは「探偵」もしくは「目撃者」が被害者になった場合、勝敗条件の逆転が起きて最もランクの高いカードを持っているプレイヤーが敗北します。大抵の場合、「容疑者」です。
 で、「探偵」と「目撃者」が被害者の場合、なぜ勝敗が逆転するかと言えば、この事件を解決に導くための「証拠」がなかったり、正しい「推理」がなされなかったりするためです。事件を正しく解決するためには「探偵」の推理と「目撃者」の証拠が不可欠なのです。
 なので「探偵」「目撃者」が被害者の場合(手を下したのは「犯人」でしょう)、事件は正しく解決されません。犯人の誤誘導によって「容疑者」であるヒロインは誤認逮捕されてしまうのでしょうね…… あ、たまに「一般人」が捕まることもあります。


・「犯人」が被害者の場合
 もちろん、被害者をめくってみたら「犯人」だった、という場合もありえます。これはどういうことかというと、実はこの事件は「犯人」の自殺だったんですね。
 この場合、勝敗の逆転は起きず、負けるのは「探偵」のカードを持つプレイヤーになるんですが、それというのもただの自殺をことさら「いや、これは殺人事件だ!」と吹聴して場を混乱させてしまった探偵がペナルティを負いますよ、という意味なのです。
 3人プレイなどで「探偵」が抜けている場合、「目撃者」が敗北する場合もあります。これも同様の理由で捜査を混乱させた「目撃者」に責があるよねって感じです。オオカミ少年ですね。


・「一般人」について
 実はこのゲームにおいて最強のカードが「一般人」です。モブです。まあ、何の変哲もない一般人が物語によって最も影響を受けない立場にいる……というのは、頷けるところかなと。
 クリスティの某皆殺し作品でもなければ一番生存確率が高いのは「一般人」ですんで、「一般人」を手にしたプレイヤーはなんとか「一般人」の立場を守りたいところではありますね。バッティングを積極的に狙えば、あるいはそれが叶うかもしれません。

 まとめ。4人プレイでの物語的な解釈ですが、こんな感じになります。(※クリックで拡大)

posted by 円卓P at 21:11| Comment(0) | 犯人は踊るポーカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月26日

犯人は踊るポーカー製作記録 パッケは岩○で行きましょう!

 犯人は踊るポーカーのカードイラストの変遷についてアレコレ書こうと思ったんですが、あまりにも資料が多すぎる&羅列しても面白く無い&解説入れる量が膨大&その割には面白みがない、ということで、その辺はカットして、今回は箱のデザインの話をすることにします。
 今回の箱のデザインはミステリテーマということで、すんげーわかりやすく岩○文庫の装丁をなぞってみました。まあ、一口に岩○文庫って言っても、時代で装丁に変化があったりするので、どれを選ぶのかはまた趣味の出るところではあるのですが、あんまりシンプルにしすぎてもどうかなということで現行のレイアウトに近いものを提案させて貰いました。



 最初に提案した素案がこちらなのですが、だいたいこれで完成してしまっています。一番の理由はこのデザインは割と作るのがラクということでw
 専用のパッケージアートを新たに起こすのは工数がかかりますし、かと言ってカード絵の使い回しはイマイチインパクトに欠けるのは否めません。パッケージデザインにはそうしたジレンマが常について回るワケですが、このデザインならそうした手間を最小限に抑えつつインパクトも打ち出せるのでまさに一石二鳥だったんですね。
 ちなみに最初は「帯は所詮付属品やろ」と考えて、帯なしのデザインで考えていたんですが、帯がないと色彩的に地味すぎて商品として目を惹かなさすぎたので、最終的には一見目に痛いピンクの帯ありのデザインになりました。実際、帯がないと惹句とかも書き込むスペースがないんで、商品としての押し出しに欠けるというか、まあ、昔ながらの素朴さを踏まえつつバランスは取っていかないとアカンよね、ってのが難しいところではあります。

 で、この素案、製品版とは微妙に異なる点がチラホラとあります。
 まず1番最初に目につくのは箱の構造でしょうか。「犯人は踊るポーカー」は当初「姫騎士の魂」とセットで販売することを考えていたため、箱にかけられるコストは限定的だったんですね。そのためにチョイスされたのがいわゆるキャラメル箱で、この素案もキャラメル箱の展開図として作られています。実はこのデザインはキャラメル箱の方がより文庫っぽく仕上がるのでフタミ箱の製品版は若干不自然ではあるんですが「箱としてはフタミ箱の方が強度もあっていいよね」という最終判断を下したこともあって、なかなか痛し痒しというか。コストを存分に掛けられるならいくらでも工夫はできるのですが、限られたリソースをどう分配するかとなると難しいところなのですね。
 あと、背表紙の位置も違います。このデザインだと逆開きになってしまうw この辺はぼくのうっかりで、鍋野さんの奥さんに修正してもらっています。
 天地には対象年齢などの情報を赤で記してまして。これ、イメージ的には蔵書印なんですが、個人の持ち物に蔵書印ってどういうことだよ、という気もしなくもなく。あれ、そう言えば製品版だと枠線なくなってますね……

 あと、表表紙の帯のコピーが全然違います。まだこの時は適当にコピーを置いてます。このコピーは実際ゲームを遊んでみるとどういうシチュエーションなのかわかると思うんですが、初見の人にはなんのことやらですね……
 実際、簡潔でインパクトに満ちたコピーはなかなか難しく、現行の「君と僕の手の上で、犯人は踊る」もちょっとむず痒いところがあったりして。今回のデザインはタイトルが小さいのでゲーム名でもある「犯人は踊る」という文言をとにかく入れたかったんですね……

 裏表紙の帯。犯人は踊るポーカーの後ろに★★★が書き加えられていまして、「これはミシュランみたいなもんかな?」と思ってネタ元の表記をそのままなぞってみたんですが、実はこれはページ数と値段を示したもので「★=50ページで50円」という意味なんだそうです。なのでこの表記ではこのゲームは150円ということになってしまう……
 「☆=100ページで100円」らしいので、☆☆☆☆☆が表記としては正しかったんですね。はい、このゲームは500円です。
 裏表紙についてはそもそも面積に余裕がないので通り一遍の情報を記載するとそれで埋まってしまうという…… 入稿してから「あ、QRコード入れとけばよかったな」と思ったりもしたんですが、まあ、実際この辺は弄る余地はあんまないかな……



 で、2月に入ってから鍋野さんから送られてきたデザインがこちら。鍋野さんの方ではCMYKカラーで作業しているのでスクリーンショットは変色してるんですが元の色味は先程のものと同じです。
 で、こちら、見て貰えば分かる通り、小口の処理が若干違います。箱がキャラメル箱からフタミ箱に変わったので「箱付き辞書みたいなデザインにしようか」という話になって、その具体案がこれです。
 ただ、箱付き辞書もちょっと混乱する作りではあって、「あれ、こっちが小口だと蓋を開けた時に向きがこうなって……???」とか、まあ、色々な理由から結局元の文庫形式に戻ったのでした。この辺、納期やコストの関係から箱の仕様が二転三転したこともあって、ギリギリまでなんか色々やってた気がします。その辺のアレもあったので、やっぱりパッケージアートに過度に工数をかけないという判断は妥当だったのではないかなと思っていますw



 で、立体箱絵を作るために用意して貰った完成形の展開図がこちら。やっと落ち着いてホッとしましたw
 これをソースに作った立体箱絵も好評を頂けたようで、「あーよかった、独りよがりじゃなかったなー」と胸を撫で下ろしてます。
 製作の最中、一回不安に駆られて鍋野さんに「このデザイン大丈夫ですかね……!?」ってマジ聞きして「オーラ感じます」って言われてホッとしたりとか。実際、ネタを出した直後は「やっべー、これウケるー最高ー」とかテンションハイなんですが、製作が進むにつれて当初の高揚感が失われて段々懐疑的になったりもするんですね。
 特に今回の箱デザインなんかはぼくの考えたものがそのまま通っているのでなおさらで。これが適度に手を加えられていたら安心もできるんですがw



 とまあ、そんな感じで仕上がった箱のデザイン。製品版もイメージ通り上々の出来栄えで、早くこのパッケがゲムマ会場でズラッと並んでるところを見てみたい! ……いや、スペースの都合でそれはムリだなw
posted by 円卓P at 00:13| Comment(0) | 犯人は踊るポーカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月13日

犯人は踊るポーカー製作記録 カードデザインはどうしましょう?

 そもそもこの犯人は踊るポーカーってどういう流れで製作してたんだっけな…… と去年の11月頃のログを見返してたんですが、最初はカード4枚って話だったんで、「『姫騎士の魂』と同梱にしようぜ! そうすればコンポーネント共用できるし! ロストレガシーレジェンドシステム!」 とか言ってたみたいですw
 最終的に犯人は踊るポーカーの箱はフタミ箱になったんですが、当初はキャラメル箱で行こうという案が優勢で、だったら「姫騎士の魂」の箱をちょっと大きく作ってその中に犯人は踊るポーカーを入れてセットで販売しよう、という計画があったんです。
 ただ、この案はセット販売になると価格が2500円。ちょっと同人ゲームとしてはお高い値段になるのでは、という話から単品販売にしましょうか、という結論に落ち着いた気がします。お祭り感と現実味の兼ね合いがなかなか難しいところです。
 で、ここから一月。その間、テーマ選択について色々考えていたんですが、これが難航。テーマ選択としては逆転要素がまず前提条件で、なおかつキャラクターが5人は必要だと。案外そうしたお話を見つけるのは難しいということがわかったんです。この頃、タネ本としてイソップ童話やらグリム童話やら読みまくってました。
 で、結論として推理小説テーマで行こう。それなら「犯人は踊るポーカー」で行きましょうという話で纏まったのが12月20日になります。
 ここからは具体的なカードデザインの検討が始まります。というか、このゲームに関して言えばカードデザインとイラストの検討が作業全体の半分を占めていた気がします。遊びやすくて見栄えのするカードとはどんなもんか? いざ考え始めてみると一筋縄ではいかないもので、デザインに関しては経験浅いぼくはひーこら言ってた気がします。
 なにせA案とB案どちらも同じくらいに見えてどっちがいいのか判断がつかない! デザイン力が数字で見えるスカウターとかあればラクなんですが……
 結局は勘……と言ってしまうと身も蓋もないのですが、ぼくの趣味で選ぶしかないと。ただ、選んだ理由をなるべく追記してなぜ自分がそれを選んだのかを言語化して自分自身を納得させようと試みていたような気がします。

 ちなみに鍋野さんとのやりとりはアートワーク担当の奥さんと直接話し合うのではなく、間に鍋野さんを立てる形で進めていました。奥さんは「姫騎士の魂」のデザインも平行して進めているので、鍋野さんを通して話を進めることは、両プロジェクトに優先順位をつけて円滑に回していくためにも必要な体制ではなかったかと思うのです。
 まあ、単純にぼくが奥さんと直接やりとりするチャンネルがなかっただけとも言いますが。ともあれ連絡は密に交わしていたので、ぼくの視点では不都合はありませんでした。


 ※クリックで拡大します
 さて、カードデザインについては最初こんな感じでぼくからは提案してました。ネット越しなので指定にはGoogleスライドを利用。アートワーク回りの指示はテキストだと限界があるのと、ぼくに絵を描ける環境がないのでこういうのを使います。
カードテキストが長い…… カード単体で完結させようとするとどうしても長くなるので、現行ではカードテキストは短く、ルールはマニュアルを読んでね、という塩梅で分配してます。


 ※クリックで拡大します
 こういう奥さんからの提案も挟みつつ。この辺、ちょっと画像保存してなかったので資料が少ないんですが。もうこの時点で箔押し+シリアス路線は確定していました。


 ※クリックで拡大します
 で、最終的にはこんな感じで行きましょうと。テキストはそんなに多くもないのでテキスト枠も必要ないし、数字1つだから真ん中でいいでしょ、みたいな感じ。
 ちなみにこの時の一般人は人狼コインの村人を仮絵として置いていたんですが、あまりに怖かったので「すみません、もうちょっと怖くない感じで……」とお願いしたようなw


 ※クリックで拡大します
 そこからさらにバランスを検討。2番の案の普通で行きましょうという形になりました。ここまで来ると現行のデザインとあんまり変わらなくなりますね。
 大きな違いはカード上部の数字を虫眼鏡アイコンに変えた点なんですが、この変更はもうちょっと後の話になります。


 ※クリックで拡大します
 で、それが終わったら今度は配色の話に移ります。奥さんからはこんな感じでサンプルを何点か提示して貰いました。
 でまあ、これを見て貰うと分かるんですけど、ここから最良の一つを選び出せ! ってのはなかなか難しいんですよw
 特に今回はカードごとに配色を変えようかな、という話もありまして、そうすると最大で5個の配色を選んで、なおかつその組み合わせに説得力のあるもの…… と考えると、割と頭が痛くなるワケです。
 で、結局どうしたかと言うと、ゲームが求める機能から決めようという結論に至りました。この辺、デザインセンスがないぼくにとってはデザインの論拠を機能性に求めるしかなかったんですね。
 このゲームではカードをめくってから勝敗の判定までラグがないことが望ましい。髑髏と薔薇のようにパッとめくってうわっと声が上ずるような配色であるべきなんですね。
 なのでゲーム的に特異な立ち位置にあるA探偵、B目撃者は目立つ色合いで決定。あとタイトルにもある@犯人もインパクトのある色合いの方が特別感あったいいなと。
 C一般人、D容疑者はシックに纏めて。これは「犯人じゃなくてホッとしたけど、よく見たら探偵死んでるから負けてんじゃん!」という、安堵から驚愕への感情の振幅を誘う意図があったりします。……本当かな!?


 ※クリックで拡大します
 そんな感じでぼくが提案した配色案がこちら。もう現行とほぼ違いがないですね。
 虫眼鏡アイコンもつきました。これはテキストレスなカードの余白がなんか落ち着かないので入れてみたものですが、今のところの配置は右下です。
 明度差欲しい、を譫言のように繰り返しているのがこの頃で、これもテキストの読みやすさを確保したかったからですね。
 B目撃者には4人専用アイコンなんてのもあります。これも現行のデザインでは消えてしまったものですが、当時は3人戦では目撃者を抜いて逆転の可能性を抑えるようにしていたのです。
 なんでこれを消したかというと、1ゲームごとにカードを入れたり抜いたりするのはセットアップの手間を増やすデメリットが目立つかな、と思ったからです。また、この当時は2人戦を考慮していなかったせいもあります。この辺のルールの変遷はまた改めて書く機会を設けたいなと。

 デザインの話はまだ続きます……
posted by 円卓P at 20:59| Comment(0) | 犯人は踊るポーカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする