2015年03月05日

インストで役立つかもしれない、犯人は踊るポーカーのフレーバーの話

 先日のゲームマーケット大阪では多くの方に犯人は踊るポーカーをお買い求め頂きました。本当にありがとうございました!
 早くもプレイされた方もいらっしゃるかもしれませんが、今週末が一番ホットに遊ばれる時期ではないかなと思っています。なので、これから犯人は踊るポーカーをインストする人向けにこのゲームのフレーバーについてお話したいと思います。インストの直接の助けになるかはわかりませんが、背景世界の理解と共有は時に場を暖める効果がありますね。

 さて、犯人は踊るポーカーは「一番小さな数字を持っている人が負け」という、言ってしまえばそれだけのゲームです。それだけのゲームなんですが、テーマとしてミステリを載せたのにはテーマとシステムの相補性を狙う意図があるワケでして、じゃあこの勝敗判定はテーマ的にはどう解釈できるのか、というのを解説したいと思います。
 この辺のお話的な意味あいを理解していると、勝敗判定の時に「あれ、どっちが勝ちなんだっけ?」という混乱を避ける事ができるのです。慣れてくると展開が早くなるのであまりそうしたフレーバーには頭が行かなくなるかもしれませんが、初めてのプレイの際にはこのゲームの背後に広がる世界を想像して貰うことでより一層このゲームを楽しめるのではないかと思います。


・「容疑者」について
 実は「容疑者」は最も名づけに困ったキャラで、このキャラは「容疑者であると同時に物語のヒロインであり、探偵が助けることを誓った薄幸の佳人。多分お嬢様」です。これを一言で表現するのは……難しかった!
 なので、キャラを発注する際には「ヒロインです! ヒロイン力高めでお願いします!」と鍋野さんの奥さんに伝えた記憶があります。赤いリボンでもつけて貰えばよかったですかね……
 ヒロインがそのまま黒幕っていうお話もありますので、そこはアレなんですが、まあ、このお話ではヒロインは純然たるヒロインということで、ランクは最大に設定されています。

・そもそもこのゲームのランクってなんだ?
 犯人は踊るポーカーの5枚のカードにはそれぞれ1〜5までの数字が振ってあるワケですが、この数値とは一体なんなんだ、と思われるかもしれません。
 これはミステリにおける各配役の社会的地位を数値化したもので、発言力・説得力と言い換えてもいいかもしれません。なので通常の勝敗判定の場合、最も発言が怪しいのは「犯人」ということになりますし、逆転が発生した場合最も怪しいのは本来ヒロインであるはずの「容疑者」になるワケです。


・勝敗の逆転について
 このゲームでは「探偵」もしくは「目撃者」が被害者になった場合、勝敗条件の逆転が起きて最もランクの高いカードを持っているプレイヤーが敗北します。大抵の場合、「容疑者」です。
 で、「探偵」と「目撃者」が被害者の場合、なぜ勝敗が逆転するかと言えば、この事件を解決に導くための「証拠」がなかったり、正しい「推理」がなされなかったりするためです。事件を正しく解決するためには「探偵」の推理と「目撃者」の証拠が不可欠なのです。
 なので「探偵」「目撃者」が被害者の場合(手を下したのは「犯人」でしょう)、事件は正しく解決されません。犯人の誤誘導によって「容疑者」であるヒロインは誤認逮捕されてしまうのでしょうね…… あ、たまに「一般人」が捕まることもあります。


・「犯人」が被害者の場合
 もちろん、被害者をめくってみたら「犯人」だった、という場合もありえます。これはどういうことかというと、実はこの事件は「犯人」の自殺だったんですね。
 この場合、勝敗の逆転は起きず、負けるのは「探偵」のカードを持つプレイヤーになるんですが、それというのもただの自殺をことさら「いや、これは殺人事件だ!」と吹聴して場を混乱させてしまった探偵がペナルティを負いますよ、という意味なのです。
 3人プレイなどで「探偵」が抜けている場合、「目撃者」が敗北する場合もあります。これも同様の理由で捜査を混乱させた「目撃者」に責があるよねって感じです。オオカミ少年ですね。


・「一般人」について
 実はこのゲームにおいて最強のカードが「一般人」です。モブです。まあ、何の変哲もない一般人が物語によって最も影響を受けない立場にいる……というのは、頷けるところかなと。
 クリスティの某皆殺し作品でもなければ一番生存確率が高いのは「一般人」ですんで、「一般人」を手にしたプレイヤーはなんとか「一般人」の立場を守りたいところではありますね。バッティングを積極的に狙えば、あるいはそれが叶うかもしれません。

 まとめ。4人プレイでの物語的な解釈ですが、こんな感じになります。(※クリックで拡大)

posted by 円卓P at 21:11| Comment(0) | 犯人は踊るポーカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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