
くいだおれうちうじんはゲームマーケット2014秋に開催されたポストカードゲーム企画に参加して作ったゲームです。ポストカードゲームについてはこちら。
今回のゲームマーケット大阪にも若干数持ち込むんですが、このゲームについてはあまり詳細を語ったことがなかったのでこの機会に触れてみたいと思います。
さて、このくいだおれうちうじんというゲーム、ジャンルとしては2人用のエリアマジョリティゲームになります。手持ちのUFOコマをポストカードで作られたマップに配置して、より多くコマを配置したらエリアの得点を取れる…… そんな感じ。
ちなみにエリアの得点計算はシャハトの王の枢機卿に似たものになっています。1位の得点はそのエリアの全部のUFOコマ数。2位の得点は自分の置いたUFOコマ数。なので相手のUFOコマを全部エリアから追い出してしまうと得点効率的にはおいしくなくて、ある程度は共存しつつも数では上回る、というのが最高効率になるんですね。この得点システムがUFOコマの配置にテクニックとジレンマを与えています。
ゲームとして特徴的なのは、UFOコマが磁石ってことです。既に配置されているUFOコマの近くに新しいUFOコマを置くと、磁石の反発力で既に置かれているUFOコマをエリア外に押しやることができるんですね。なのでこの辺の攻防が熱いと。
で、基本的にこのゲームは磁石同士の反発が楽しい! という一発ネタをどんだけ活かせるか、という考えでデザインされたゲームで、各部の設計はそれを意識したものになっています。
例えば境界線の処理。このゲームはUFOコマが移動した結果、境界線上に乗ってしまうことがあるんですが、それをどう処理するか、というのはゲームデザイン上の設問として面白い課題ではないかと思います。
で、ここでの回答は、境界線上に置かれたUFOコマは跨ったエリア全てに配置されているものとして数える、というものです。つまり、3つのエリアに跨ったUFOコマは通常の3個分のUFOコマの働きをするということ。これは熱い!
で、こうすることで磁石の反発力を使ったアクションを自分の加点にも使えるようになるんですね。それまでは相手のUFOコマを追い出すためにしか使えなかった反発力が、今度は自分のUFOコマを境界線上に乗せるために使える。コマ配置のパターンがグッと増えるワケです。
それと同時に相手のコマを押し出す際にもリスクが生まれます。反発力が足りずに境界線上にUFOコマが止まってしまったらむしろ相手にワンチャンを与えてしまう…… このジレンマ。これは自分の行動が却って相手にチャンスを与えてしまうトスのインタラクションでもあります。
また、反発力はゲームのキーではあるんですが、UFOコマをあまりに近くに配置しようとするとUFOコマ同士がくっついちゃうことがあります。接触事故ですね。
こうなるとぶつけた側にはペナルティが発生します。なので、相手のUFOから近すぎず、遠すぎず、自分の意図を正確に反映させられるように配置しなければなりません。結構テクニックと先読みがいりますw
ということで、コンポーネントは独特ですが、やってることはかなりドイツゲームを意識したデザインではないかとぼくは思っています。少なくともぼくのプロダクトの中では一番ドイツゲームっぽいのではないかとw
そんな感じで手応えのあるプロダクトではあったんですが、ただまあ、このゲーム、ぼくの想定外の事項が一つありました。というのはこのゲームのテストプレイは普通のコピー機で使うような上質紙を用いていたんですが、実物はハガキ用の光沢紙なんですね。
で、この光沢紙、当たり前なんですが、ツルツルしてる…… ツルツルしてるので摩擦係数が小さくてUFOコマが凄い滑る。ぼくの想定よりもかなりダイナミックにUFOコマが動く結果になったんです。
これ、評価に困るところではあって。プロトタイプはUFOコマの動きに若干物足りなさがあって、ズズズズッと動いてくれる製品版の動きはダイナミックでおもちゃ的な面白さがより強調されているんです。これは明確なプラス点ではあるんですが、一方でコントロールが効かなくなりすぎないか、加減が効かないのは大味すぎるんではないかという懸念がありました。
その辺の評価は難しいところではあるんですが、ぼくの考えとしてはこのゲームの製品版はハードモードって考えればいいんじゃね、みたいなw なんかフラグ設定間違えて出荷しちゃった的な感じです。
まあ、結果としてはバカゲーとして受け入れて貰ったようなので、よかったのかなとw 実際UFOの動きを楽しむゲームだとは思っていますんで、この根源的な触感の驚きを体験して欲しいなと思ったりもします。
で、このゲーム、数が出てないこともあって殆ど感想を見ないゲームでもあります。そこで流星キックさんにお願いして感想ツイートを紹介させて頂けることになりました。
遊んでみてユニークさがわかるタイトルなんですよねえ。難しい。
【くいだおれうちゅうじん】GMのポストカードゲーム。これはケッ作だった!大笑いした! pic.twitter.com/yh57Quwe8Z
— 流星キック (@ryuuseikick) 2014, 11月 24
やることはダイスをドラフトしてそのエリアに自分のUFOを配置していき、得点を取っていくというもの。ただしUFOが磁石なので、その反発力を利用して相手のUFOを押し出せる、というギミックが秀逸
— 流星キック (@ryuuseikick) 2014, 11月 24
磁石はご存知のうように反発力だけじゃなくて引き寄せる力もあるので、追い出すつもりで隣のエリアの関係ないUFOをくっつけてしまうw
UFOコマをくっつけてしまうとペナルティなのだ pic.twitter.com/EBCyLkYZG3
— 流星キック (@ryuuseikick) 2014, 11月 24
このゲームの素晴らしいところは、ポストカードの”狭いエリア”というハンデを逆転の発想で利用しているところ。磁石をUFOに見立てたのも素晴らしい!
— 流星キック (@ryuuseikick) 2014, 11月 24
今回は日本各地の名産品を食べにくる宇宙人というテーマで、なぜか東北・青森あたりのエリアが激戦区だった。あのあたりにはキリストの墓やらなんやらがあるからだろうか(^^;
— 流星キック (@ryuuseikick) 2014, 11月 24
流星キックさん、ありがとうございました!
くいだおれうちうじん
プレイ人数:2人用
対象年齢:8才〜
プレイ時間:10分
イベント価格:200円(磁石コマ付属)
ラベル:ポストカードゲーム