
先日、このブログで犯人は踊るポーカーの出展を発表いたしました。が、まだまだこのゲーム、ご覧の皆様にとっては海の物とも山の物ともつかない存在だと思っています。
なので、大阪ゲムマまでの少しの間、このゲームについて色々とお話したいと思っています。まず最初にこのゲームを作ろうと思ったキッカケからお話しましょう。
去年の秋ゲムマに出展しました姫騎士逃ゲテ〜は、カード17枚だけのぼくなりきのミニマリズムを表現したゲームではありました。が、この17枚という半端な構成は仕様変更でカードが1枚増えた結果でもあるんですね。
で、実はぼくはこれがちょっと引っかかっていて、カード16枚で収められなかったこと、最後に画竜点睛を欠いたことになーんか敗北感を抱えてもいたんですよ。
姫騎士逃ゲテ〜を作り終えたことで、ミニマリズム方面への自分の力試しは終わったと。よし、これからはもっと大規模なゲームを作ろうと。そう思いたかったんですが、実は心残りを払拭できなかったのも事実でありまして。なので、今回の犯人は踊るポーカーでミニマリズムへのリベンジを図ろうと思った、というのがまず念頭にあります。
あとまあ、大阪ゲムマないし春ゲムマに間に合わせるとしたら物理的に大規模なゲームは難しいね、という都合もあったりするんですが、まあ、それはさておいて。
ということで、今回の犯人は踊るポーカー。構成はカード5枚。以上ですw
最初は4枚だったんですが、1枚増やすと対応人数が広がるので鍋野さんにお願いしたらOKを貰えたので現在の仕様になりました。「また1枚増えてるじゃねーか」って話ですが、これはまあ、ゲームデザイン上の必然というよりは対応人数を広げた方が何かと便利だろうという話なので、ぼくの中ではノーカンですw
そう、このゲームの出発点をさらに突き詰めると「4枚のカードで遊ぶ3人用のゲーム」だったんですよ。ここまで言ってしまえば勘のいい方はこのゲームが某ゲームを意識したものだということはお分かり頂けるかと思いますw
某ゲームの構成を聞いて、「ぼくだったらどういうルールを組むかなー、こんな感じかなー」と考えてみて、で、答え合わせ的に鍋野さんに「こんな感じ?」と聞いてみたらこれがハズレ。でもだったら、これゲームにできるじゃん。言ってしまえば、そういう流れです。
確かその時点で鍋野さんとは合同でブース出しましょうという話は纏まっていたんですね。ボードゲーム数寄語りのゲームマーケット大賞回の後の話になるんですけど、ゲムマ大賞回でもう鍋野さんは「姫騎士ポーカー(姫騎士の魂)を出します!」って言ってたんです。ぼくは、その時は「あー、コラボ作品出せたらいいっすねー」みたいな逃げ腰でw
なのでぼくからも一つ新作出さないとカッコ悪いな、みたいな雰囲気がありまして。じゃあやりましょうという形になったのが犯人は踊るポーカーなんですね。
ただ、この時はまだ「犯人は踊る」という鍋野さんの超ヒット作のテーマを借りようという話はなくて、全然違うテーマを乗っけるつもりだったんです。というかルールは概ねできたけど、どんなテーマを乗っけようかってところで1ヶ月くらい悩んだんです。なのでこのゲームに関して言えばルールとテーマのすり合わせが一番の難関だった気がします。
で、鍋野さんとの話し合いの中で「ミステリテーマならしっくり来るね」みたいな気付きがありまして、それで「ミステリだったら『犯人は踊る』を冠するのはどうですか?」みたいな流れになったんです。それならコラボ+コラボでバランスもいいですし。
もちろん、ぼくは「犯人は踊る」の名前を使わせて貰う立場なので無理は言えません。ダメならダメでしょうがないと鍋野さんにお願いしたら、これが驚くほどあっさり「いいっすよー」って許可を貰えてしまったので、ぼくも半ば動揺しつつも「じゃあお願いします」という感じで、このゲームのテーマが決まったワケです。
……自分で書いてて思いましたが、この辺の経緯ホントガバガバですね!
で、コラボしてみたはいいんですが、出来上がったものがこうなるとご覧の皆様は「テイストがまったく違うじゃないか! あのユルさがいいのに円卓Pってやつはなんもわかってねえな!」とご立腹なのではないかと思います。よくわかります。皆様の立場ならぼくだってそう言うと思います!
ただまあ、これには事情があるんです。それはイラストのタッチ的に「犯人は踊る」のあのユルいイラストは豪華にしづらいという難点があったんです。
そう。豪華。実はこのゲーム、めっちゃ豪華な仕上がりになってます。箔押しを効かせたすんげーグレートなカードです。まだ見本が来ただけですが、これはヤバイですよ。
やはりこのゲーム、カード5枚だけの内容ですんで、コンポーネント的には凄くバリューに乏しいんですね。まあ、原価を抑えてジップロックで200円とかで販売する省エネ販売もアリなんですが、箱やらつけることを考えるとある程度の単価まで持っていかないと採算が取れないと。普通のカードに箱をつけると箱のが高くなってしまう。それはアカンでしょうと。
なのでどうやって付加価値をつけるべきか鍋野さんに相談しましたら、鍋野さんから「じゃあ箔押しですね」みたいな提案を頂いたワケです。鍋野さんの新作「姫騎士の魂」がそもそも箔押しカードの予定だったんで「だったら一緒に刷ればいいじゃん」と、こういうノリです。
箔……押し……?
いや、あの、ぼくは厚手のカードにエンボスかけるだけでも十分立派だと思「箔押しで」アッハイ。
まあ、そんな感じで「カードに箔押しする」→「じゃあシリアスなテイストで」という流れが割と自動的に決まりまして、「それならそれで行くか!」とぼくも腹を括ったのです。ユルいのも捨てがたくはあったんですが、今回のこのテイストもできあがってみると凄くイイんですよ! トータルでかなりオーラ出てるデザインになったんじゃないかなと思っています。まだ完成してませんけどw
ちなみにキャラのデザインは密かに「犯人は踊る」を踏襲してたりします。探偵が一番わかりやすい例かな。

一般人のOLさんはおっさんと同伴になりました。ダブル眼鏡!

で、幸いなことにテーマがこうなのでイラストも鍋野さんの奥さんの鍋野たまさんにお願いできる形になりまして、これがまあ、ぼくとしても願ったり叶ったりだったワケです。
鍋野さんも「あー、妻ならいいっすよー」みたいな軽いノリで。まあ、イラスト点数そんな多くないですしね。ちなみにその時「ひつじ算は全部ユニークイラスト描いて貰うつもりだった」という恐ろしい話を聞きました。あれ、60枚ありますよね……?
ぼくは奥さんのイラスト好きですし、奥さんは作風も幅広いですし、これまでの製作の経験からカードのデザインも心得ているワケです。なんの問題もないじゃないか!
……唯一懸念があるとすれば、それはぼくの仕事が遅れることで鍋野さんの仕事まで遅れる玉突き事故でした。どうせ今回も期日ギリギリの進行になるのは目に見えてるので(失礼)、ご迷惑は最小限に抑えてスムーズな進行を心がけよう、とそう思ったのです。実際は……どうだったんでしょうね!?
なのでイラストは奥さんにお願いすればいいし、発注やら原価計算やらは鍋野さんにお願いすればいいし、ぼくはただルールの細部を詰めるだけという…… なんだこれぼくプロデューサーみたいじゃん!?みたいな。実際に汗を流す部分は凄い少ない分担なので、こりゃー楽勝だなー、なんてその時は思っていたんです、が……
いや、実はそう簡単にゲームって完成しないんですね…… 今回の話は11月の中旬くらいの話なんですが、実際に製作に取り掛かった際の流れをまた次回以降にお話ししたいと思います。
そんなところで。