2020年02月18日

数寄ゲームズ通販サイトにて「TIME OF SOCCER/タイムオブサッカー」を販売します



 数寄ゲームズダイレクトでの初報からかなりのお時間を頂くことになりましたが、お待たせいたしました。スペインのボードゲームメーカー(というより総合おもちゃメーカーっぽい?)Last Lebel社のサッカークラブ経営ゲーム「TIME OF SOCCER/タイムオブサッカー」を数寄ゲームズ通販サイトにて販売します。

 プレイ人数は1〜4人(ビデオゲームでよく扱われる題材ということもあってかソロプレイを楽しむ人も多いようです)、プレイ時間は堂々の120分、対象年齢は12歳以上、価格は税込7150円となります。スペックだけみると昨今の重量級ゲームの数々に比肩する内容ですけども、それだけの面白さや納得感の詰まったゲームです。



 一言で表現すれば、すなわち「サカつくボードゲーム」。プレイヤーは選手の起用やポジションの決定のみならず、マネージャーやスカウトやコミュニティーマネージャー(インストで「Twitterの企業アカウントの中の人」って説明したら「そりゃそうだけど!」って言われました)、果てはテクニカルセクレタリー(技術強化部長とか訳すらしいけどサッカー業界で一般的な用語なのかわからん)と言ったフロントスタッフの雇用、テレビや広告といったスポンサーの募集まで担うことになります。監督、オーナーと言った天上界の視点からクラブチームの運営、経営を行うシミュレーションゲームと言えましょう。


 さて、スポーツテーマのボドゲと言えば、試合風景をどうルールとして落とし込むかに焦点が当たることが多いですけども、このゲームの試合はサイコロ1振りで決まります。ぶっちゃけ試合は1分で終わります!

 では、プレイ時間120分の残り119分はどこに当てられるのかと言えば、試合の前段のチーム作りがそれで、プレイヤーは一方通行の多いスペインの複雑な街路を車で巡りながら選手やフロントスタッフの雇用や売却などを行うのです。なにせサッカー大国スペインですから、そこらにスター選手がわんさか、犬も歩けばサッカー選手に当たるみたいな感じなんですよ。ムチャクチャ言ってんな!



 あとこれ、一言に一方通行とか言ってるんですけど、やってることはムチャクチャ複雑なロンデルみたいなもんです! この部分だけでも手応えがありすぎる!

 お金もシビア…… シビア…… 場合によっては選手を放出して得た現金で次の選手を獲得する自転車操業感を味わうことにもなり、計画が狂うと選手が少ないままで週末の試合を迎えてしまうことも。闇の人身売買ゲーだわ。

 「試合に備えてチームをどのような状態に持っていくか?」という短期の目標が極めてハッキリしているゲームなのでやるべきことは非常に明快ですね。……チームに与えられた課題が多いだけで。


 さて、試合ではなくチーム作りに焦点を当てたこのスタイル。実はゲームデザイン的には極めてスジがよいと言えましょう……!

 よく言われることとして、「ボドゲのテーマでスポーツは鬼門」という言葉があります。これはスポーツの魅力であるスピード感、躍動感をボドゲでは再現しにくいこと、スポーツ自体のルールの落とし込みが難しく、煩雑になりがちな点が一因として挙げられるでしょう。

 なので、試合そのものの処理を簡略化してしまい、前段のマネジメントに全力注入するスタイルはボドゲにおいて極めて合理的なのです。この手のゲームについて触れるともう絶対に名前を挙げざるを得ないので挙げますが、チームのマネジメントに焦点を当ててハマった「バスケットボス」という名作バスケットゲームがあり、このゲームも切り口としては同じ系統です。

 ただ「バスケットボス」があくまでファミリーストラテジーの体裁を保っていたのと比べるとこちらはそういうスマートさがないというか、完全に趣味に突き抜けていて、コアゲームと化しているので、よりマニアックな内容と言えるかもしれません。

 あと、この切り口の合理的な一面としてその競技自体のルールを知らなくても遊べるという話があります。例えばサッカーで言えばオフサイドとか。

 もちろん、サッカーの知識があればポジション決めやらでより深く没頭することができるでしょうけども、サッカーをほとんど知らない「ワールドカップの試合も見るかどうか?」くらいのサッカー興味レスな自分でもチーム作りをガッツリ楽しめてしまう間口の広さがあります(好きなサッカーマンガはアオアシです)。どちらかと言えば前提として重要なのはこのクラスの重さのゲームに慣れているかどうかで、普段この手のゲームを楽しんでいる人であれば問題なく楽しめるでしょう。


 また、選手だけでなくフロントも強化しなければならないのがゲームとしての重厚感を生み出していて、短期的には選手を強化したい、しかし長期的にはより優秀なフロント陣も必要になるのがマネジメントのゲームとしてよくできています。

 テストプレイした際に自分はとにかく目先の勝利のために選手の強化を優先したんですが(なにせリーグ戦の1勝は先でも後でも同じ「1勝」です!)、結果リーグ戦はトップを独走する無敵艦隊ぶりを発揮したものの、フロント陣が無能揃いで中盤は金策に苦労し、完全に足が止まってしまいました。選手は一流、幹部は三流。

 いやはや、ゲーム中、マジで何度「うちのフロントは無能!」って叫んだかわかりません…… サッカーはよく知らないんですが、なんか自然と「こういうチームってあるよねー」みたいな話が盛り上がるのがよくできています。

 ……そう、チームはよく勝つんでファンに恵まれて人気が出るんですが、やはりフロントが無能なのでスポンサーがつかずに貧乏が続き、ファンの支援でなんとか頑張る、みたいな、これもどっかのスポーツチームでありそうな話で、あれ、なんか涙が……

 話が逸れましたが、そうやってウダウダしている間、初手でフロント陣の強化に務めたプレイヤーが追い上げ、最終的には優勝がもつれにもつれるという大混戦ぶり。傍目には大変面白いシーズンとなりました。

 ゲーム後半はリーグ戦に加えてトーナメント戦「LaBSKカップ」も始まるので前半が奮わなかったチームはここで逆転を目指します。しかし過密日程は選手の体力を覿面に奪うので、どちらに注力するかの判断も求められます。カードによってはプレイヤー間で「ここはお互い二軍で戦力を温存しましょうや」みたいな談合も始まったり。ファンが怒るぞ!


 そして作者一番のこだわりポイントと思われるのがチーム編成です! 各選手はポジションごとの異なる能力値を持ち、さらに選手の組み合わせで連携を行うチームプレイの概念も表現! さらにマネージャーの選択によって選手のパフォーマンスが底上げされるという細かさまで!



 明らかにこれボドゲで処理するデータ量じゃないだろ! という驚異のシステムはさすがにやりすぎた感があったのか、作者がWEBでサポートツールを公開するほどです。

 http://www.lipschitzz.com/niveles/timeofsoccer.asp  戦力計算ツール。実際のアートを使用してるので、リンク先を見てみると雰囲気が掴めるかも。

長野ラウンドテーブル

 TIME OF SOCCERリーグ戦3位、LaBSKカップ優勝を果たし、ゲームに勝利したぼくのクラブチーム「長野ラウンドテーブル」です。URLを保存しておけばこのようにチームデータを残せるので、遊び終わった人はぼくのチームと勝負! ……それはサカつくではなく、パワプロでは……?


 とは言え、このこだわりのおかげで、「自分の最強チームを作りたい!」という男の子の野望に燃えてしまうので、素晴らしい作り込みですグッジョブです。「うちのチーム、いいクロス出してくれる俊足の左ウイングがいるんだよなー。トップいねーけど」みたいな、なんか、こう、チームのスタイルみたいなのを想像できていいんですよ!


 また先ほどは1分で終わると説明した試合は簡単な6出ろシステムのダイスロールではありますが、それゆえにプリミティブな気合が入ります。同じ出目でも編成で算出された攻撃と守備LVに応じてシュート数/セーブ数が決まるので戦力差がダイレクトに試合結果に影響しつつ、スポーツならではの波乱も適度に起こるのはそれっぽくてよいです。

 絶対に勝てると思った試合で負けた時の絶望を通り越した無の感情よ…… サッカーって勝つのマジ大変!

 ちなみにガチマネジメント派向けのヴァリアントとしてサイコロ振らないヴァリアントもあります。けど、多分サイコロ振った方が楽しいんじゃないかなあ。



 あとはこのゲームは中立チームを含む6チームが入り乱れるリーグ戦と8チームで争うトーナメント戦を含む1シーズン全てをやり切る内容となっているため、かなりのタフゲームです。普通ならもうちょっとこの辺も簡略化する目もあるとは思うんですが、ここは全日程をやりきるんだという作者の強い意志を感じます。

 そう、このゲームは極めて作家性の強いゲームでもあります。そもそもがこのゲームは、2014年にスペインのElite Gamesという個人出版社から発売された、言わば同人ゲームです。

 それが2018年に第2版がエッセンで発表され、その後Last Lebelがその版権を獲得して本格的な流通が始まった、という経緯があります。個人制作の色合いが強いゲームなだけに粗さもありますが、それ以上に作者Lipschitzzの溢れんばかりのサッカーへの情熱がそこかしこに感じられるゲームでもあります。大手出版社の完成度の高いゲームももちろん面白いんですがアマチュアリズムの極限のようなこうしたゲームを遊べることもボードゲームの大きな魅力の一つですね。



 ちなみに作者のLipschitzzは同名のサッカー選手としてカメオ出演しています。この同人ぽさよ! しかもモブ選手とかではなく、自分を超強いスター選手に設定してて中二臭さがたまりません。


 とまあ、長々と色々語ってきましたけども、すごく個人的な感情を吐露すると「ゲーム好きを自負するのであれば、ぜひ遊ぶべき! ただし死して屍拾う者なし!」というのが嘘偽りのない気持ちです。

 やはり10年もゲームを遊び続けると「面白いけど、どっかで見たようなゲームだなー」というタイトルとの出会いも少なくはありません。ですが、このゲームは斬新さを随所に感じ取ることができ、題材の珍しさも相まって、やはりこのゲームでしか味わえない体験があります。それは裏返せば先例のなさ、わかりにくさに繋がる部分もあるんですけれど、新しいゲームを好む人、初めて遊ぶゲームのワクワク感を何よりも楽しみにしている人にとって、これ以上の題材はなかなかないんじゃないかなと思っています。

 ゲームの性格として様々な推しポイントはもちろんあるワケですけども、やはりこのゲームの一番のウリはユニークなゲーム体験に尽きるでしょうし、まあ、数寄ゲームズという極北のゲーム野郎に何が求められているかと言えば、やはりそこなんじゃないかと思ってますよ。


 ちなみにこのゲームは「スマートフォン株式会社」に次ぐ「一発命中Pセレクション」の第2作になります。この企画は一発さんが「このゲーム欲しい」って言ったのを基本的には「いや無理やろそれ」って却下しつつ、たまーに、ごくたまーに、諸々の条件が合致することによって「先方からOK出たわマジか」とビックリしつつ、販売まで漕ぎ着けることができた作品群を指します。

 一発さんが欲しがるゲームはテーマの選択が独特で面白いんですけども、まあ、ゲームとして面白いかというと怪しい面もあったり、テーマが尖りすぎてて「欲しいの一発さんだけだろこれ!」みたいなのも多いんですね。それを一般人of一般人であるところのぼくのフィルターをかけてなお日本でのプレイ環境にも耐えうるなと判断したものが本格的なセレクションの俎上に上ります。……みたいなことを言うとちょっとカッコいいんですけども、実際はまあ、出たとこ勝負の部分が多いです。

 運命論者的なことを言うんですけど、しかし、なにかこう、これまで色々あって縁が結ばれたゲームは、結局「遊んでみて、輸入してみてよかったな」というゲームになる気がします。掛け合ってみたけど色々あってダメでした、ってゲームはやっぱり多いんですけども、面白いゲームって先方もやはり多くの人に伝えたいと思っているのか熱量があるように感じます。

 でもって手癖でもゲーム作れるようなところはもうすでにパートナーがいるので。メールの返信をくれるだけでもありがたいなと思っています。

 まあ、スペインの対応がよかったかというとまたそれはアレなんですけども…… 時間めっちゃかかってるし……


 ちなみに「スマートフォン株式会社」は遊びやすい割に考えどころもあるコスパがよくて万人受けするゲームだったのに比べて、こちらはデータ量も多くてお世辞にも遊びやすくはなく、しかしハマった時の感情の爆発力が抜群なクセの強いゲームです。システム的な共通点はあまりないんですが、テーマ性が強く、それがゲームに独特な魅力を与えているのがやはりセレクションとしての共通点かなと思います。


 まあ、繰り返しになりますが誰にでも必要十分な楽しさを提供してくれるタイプのゲームではないでしょう。やはりサッカー好きの人、それもタクティクスに興味のある人に刺さる内容だとは思います。50人以上の特徴ある選手を組み合わせてチームを作るボドゲってのも聞いたことがないですし。

 サッカーに興味のない人でもエッセンのスカウトアクション上位に来るようなマネジメント成分の強いゲームが好きな人ならオススメです。もう少し具体的に言えば、数寄ゲームズのゲームに波長が合う人はオススメです。なぜならぼくが楽しめたからです!

 ツイートでは「サッカー界のスルージエイジスや!」みたいなことをつぶやいたんですが、あれは物量的な側面、プレイ時間的な側面、リソースのカツカツ感、そしてゲーム自体の持つ荒々しさ(一歩間違えるとギャグになるような理不尽さと紙一重のシリアス感)みたいなところも含めて連想したゲームがそれだったというところがあります。

 なので、これまで数寄ゲームズの姿勢をご支持頂いている皆様に対しては、「このゲームは買いだぞ!」のただ一言であります。君たちの求めるものはここにある!

 販売は2月22日からを予定しています。説明書の納品予定がその日なのと、BASEでキャンペーンが始まるのでちょうどいいなと。
 入荷数はそんなに多くないので発売即完売の恐怖もなくはないんですが、まあ、それは杞憂でしょう杞憂。


 BASEのキャンペーン期間中はクーポン利用で10%割引になりますので、ぜひぜひご活用ください。
posted by 円卓P at 20:09| Comment(0) | 販売情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする