2019年12月24日

テラマラ/Terramara エラッタのお知らせ



添付している和訳ルールに翻訳ミスがありましたのでお知らせします。
こちらの不手際でご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。

P.16
誤:
アーティファクトを作成するときに、いずれかのリソース1個の割引を受ける

正:
アーティファクトを作成するときに、各種類のリソースそれぞれ1個の割引を受ける


また、P16の下記の文章について明確化します。

アーティファクトを作成するときに、この種類のリソース(コストで表される)を支払えば1VP

この効果は支払ったリソース1個ごとに1VPを獲得します。
また、割引の効果を適用した場合も同様のVPを獲得します。
つまり、支払ったリソース量に関わらず、カードに表記されているコストに等しいVPを獲得します。

また、Quined Gamesが発表したゲームのエラッタについてお知らせします。

・戦士を獲得する十字路アクションは1つの氏族員しか配置できません。(スタートプレイヤーや襲撃アクションのような扱いです)
ラベル:Terramara
posted by 円卓P at 11:41| Comment(0) | マニュアル改訂・エラッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月21日

3Dプリンターのススメ

 この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2019の第21日目の記事として書いたものです。

 今回はマルチゲーム大会の順位付けについて書こうと思ってたんですが、長々と書いたテキストが吹っ飛んどるー!
 というワケで、手っ取り早く書ける3Dプリンターを使ったコンポーネントの作り方について書こうかと思います。

 ぼくが3Dプリンターを購入したのはかれこれ2年前で、これまで同メーカーの機種を2台ほど、場合によって使い分けしています。3Dプリンターって使う時は24時間に渡ってガンガン回すんですが、使わない時はマジでただの置物になります。うちもここ半年くらい置物状態です……(と思ったけど、City of the Big Shoulders用のパーツを試作してたからそうでもないな)
 ちなみに回してる時と回してない時の電気代が顕著に違って出るので電気代の明細を見ると「あー、去年は色々作ってたなあ」とか思い出せます。

 当たり前ですが「作るものがあるか?」「それが継続的にあるか?」は3Dプリンター導入の一つの大きな検討ポイントです。1回限りならまあ何か別の方法を考えた方がいいかもしれません。2つ以上のプロジェクトで継続的に利用するなら経験値の蓄積もあって徐々によいものが作れるようになるので面白いと思います。

・3Dプリンターとは?
 「データを元に、樹脂や金属を一層一層少しずつ積層しながら、立体物を印刷するもの」です(コピペ)。自分が人に説明する時は縄文式土器みたいに素材を積み上げてモノを作るんだよみたいな説明をしてます。
 素材は主にプラスチックやレジンです。素材から分類すれば、世の中にはプラスチック用の3Dプリンターと、レジン用の3Dプリンターの2種があると思えばいいでしょう。ぼくが使ってるのはプラスチックの方です。素材費が安いので。

・3Dプリンターで何ができるか?
 世間では「結局何に使うの?」と言われがちな3Dプリンターですが、ボードゲームにおいて「オリジナルのコンポーネントが作れる」はめちゃくちゃ大きな強みです。自分の思うがままのデザイン、サイズ、数量のコンポーネントが作れるのは製作の選択肢を格段に広げます。「市販のコマだと若干サイズが大きいから半分のサイズのヤツが欲しい」とか、「カード1枚だけを立てるカードスタンドのアレ(ゲーム作ってる人ならわかるアレ)が欲しい」とか、「ちょっと目立つスタートプレイヤーマーカーを作りたい」とか「印刷で頼むと結構高い箱の仕切りを安く作りたい」とかそういう細かい要望を解決できます。時間と根性で。

・3Dプリンターのメリット

・小ロットの製作に便利
 特に100部規模の個人制作規模のゲームにおいて3Dプリンターは力を発揮します。市場を通して調達する多くのコンポーネントは基本的に小ロットで調達するのはコスパが悪いです。3Dプリンターでコンポーネントを製作するなら必要なコンポーネントを必要な数だけ生産することが可能です。コスパもよく、例えば一般的なミープルなら材料費のみで4円とかそういうコスト感です(そして残る多量のフィラメント)。

・3Dプリンターの特性はボードゲームと相性がいい
 ボードゲームのコンポーネントって基本的には、小さく、軽量で、精度をさほど要求せず、強度をあまり必要としません。工作機械のパーツを作るとか、超絶クオリティのフィギュアを作るとか、そういう用途で使う場合の3Dプリンターには結構な性能が求められますが、例えばボードゲーム用のオリジナルのリソーストークンを作る程度の話であれば、ほとんどその辺を気にせず実用レベルの製品が作れます。

・アイディアが広がる
 個人でのボードゲーム製作は実現可能かどうかが常に足枷として存在するので、その足枷をぶち壊してくれる3Dプリンターは世界を一段階広げます。気の持ちようという話もあるんですが、これが結構デカかったりします。ゲーム作りに慣れてくると、コンポーネント面での可能・不可能の範囲が自然とわかってきて、不可能な領域にはそもそも手出しをしないという護身術の真髄みたいな技術を習得するんですが、翻って言えばそれは発想力を制限しているとも言えます。新しい技術が新しいチャレンジを呼ぶのは必然と言えましょう。

・オーガナイザーとかも作れる
 ボドゲ製作とはちょっと逸れるんですが、最近よく見るオーガナイザーなんかも作れます。……が、基本的に面積のあるアイテムを作るにはデカい3Dプリンターが必要になるので、あんまりオススメはしません。そもそもが3Dプリンターってデカくて場所を取るので……

・3Dプリンターのデメリット

・大ロットの製作は大変
 500部のゲームにそれぞれ10個必要なパーツ、すなわち全部で5000個を作る必要がある、とかの段階になると結構大変です。3Dプリンターによる製造は出力に時間がかかります。実際に出力したものを見せて「このコマ1個作るのに〇時間かかります」っていうと大体ビックリされます。
 ただ、3Dプリンターは出力を始めてしまえば、あとはエラーが起きない限り自動的に出力を続けてくれるので、会社に出かける前、あるいは寝る前にポチッとしておけばいつの間にかパーツが出来上がっているという魔法のアイテムじみたところがあります。なので、時間がかかる=手がかかるではありません。
 ただ、後処理が必要なパーツは地獄です。なるべく後処理が必要ないようにモデリングの段階なりそもそも企画の段階なりで考えておきましょう。

・モデリングデータが必要
 おそらく、3Dプリンターの利用の一番の障害となるのが、このモデリングデータを作ることです。ただ、これも凝ったコンポーネント作るのは難しくても、ボードゲームで普段使いするような単純な形状のコンポーネントであれば、それほど難しくはありません。
 イラレなりで線画を作り、



それをモデリングソフトでトコロテンみたいににゅーっと押し出して立体化し、



あとはそれを3Dプリンターで出力するだけです。



イージー!



 右下のごしゃごしゃしてるヤツは出力に失敗したやつです。台にうまく定着しないとこうなる……

 画像ソフトの習得が必要だとか、モデリングソフトの習得が必要だとか、まあ、そういう技術の習得に時間がかかるという話はあるにはあります。ただ、こうした技術って習得するとボドゲに限らず色々な局面で使えるのでコスパはいいですよ。
 あとはモデリング配布サイトのモデリングを利用するとか、購入するとか…… ただ、基本的にボドゲ販売は商用利用に該当するので、販売目的で商用利用不可のデータをそのまま使うのはダメですよ。

・色味の選択は不自由
 基本的に3Dプリンターの出力品は単色です。彩色済みのフィギュアがにゅるーっと出てくるワケではない……!
 一応、マルチカラーで出力できる3Dプリンターもあるにはあるんですが、まだあんまり一般的ではないかな…… ということで、基本的には単色の製品を出力することになりますが、これが意外と製造の制約になったりします。単純に言えばサイコロが作れない。
 やはりこの色味の乏しさが結構辛かったので、うちでは2色印刷可能な3Dプリンターを導入しました。これはなんとサイコロが作れます。
 理屈としては、色々な色でパーツを出力して、後でそれらを合体させるプラモデル方式で様々な色味を確保できなくもない……! けどやっぱ大変ですね。

・トラブル処理が面倒
 これは自分の経験の話になるんですが、フィラメント(素材)が詰まった時などのトラブル処理に結構時間がかかります。慣れてくるとぱぱっとできたりするんですが、初めてトラブルに遭遇した時の絶望感は結構デカいです。ハードウェア的な故障なのか、ちょっとしたトラブルなのかの見分けすら難しいので。
 このトラブル処理の難易度はPCのメモリの増設、くらい? その辺ですら拒否反応があるなら継続的な利用は難しいと思います。


・オススメの3Dプリンター
 で、具体的にはどの機種がええんや、という話になるんですが、FlashforgeのAdventure3あたりが初めて扱うには手頃じゃないかなあと思います。

 http://flashforge.co.jp/adventurer3/

 この機種、自分は持ってないんですが、同メーカーの機種は使ってまして、まあ、不便なく扱えてます。でもってこの機種はメンテナンス性が非常に高く、特にノズルのワンプッシュ交換機能が激烈に羨ましいです。同メーカーの中でこの機構を採用してるのは今の所この機種だけじゃないかな。
 ぶっちゃけ同メーカー間なら性能差はそんなにないと思うので、あとは扱いやすさで選べばいいんじゃないかなと思っています。あと価格。
 まあ、この機種は割とリーズナブルかと思います。Amazonだと旧機種のFinder(ぼくも使ってるやつ)がこれより1万円安く買えたりしますけど、それなら1万円払ってこっち買うかなーみたいな。安いやつはホント安いですけどそれってプロ仕様というか、あんまり一見さんが手出ししていいやつじゃないのでこの辺が落としどころじゃないかなと思います。
 ちょっと気になるのはフィラメントが内蔵式ってとこかな。おそらくこれは500gのフィラメントに対応してるので、1kgのフィラメントが使えない可能性があります。あ、でもFinderもフィラメント内蔵式だけどフィラメント外に出して使ってるから大丈夫かな……

 材料となるフィラメントはAmazonで買うのが一番手っ取り早いです。家電通販サイトとかにもあるにはあるんですけど、品揃えがいいのはAmazon。1kg2000円くらいのフィラメントで十分使用に耐えます。グラム20円なので鶏むね肉より安いですね。

・実際どんなもんが作れるんや
 「ペーターと2匹の牧羊犬」は動物コマやら柵やら3Dプリンターの寄与度がめちゃくちゃ高いゲームなのでそちらの紹介を見て貰えればと。



 あとは最近だと「アンダーウォーターシティーズ」のトークンなんかを作ったりしました。こういうのが一番用途しては向いていますね。



 3Dプリンター、今から参入するには遅いかな、と思う向きもあるかもしれませんが、ぼくが使い始めてからかれこれ2年近く経ってもあんまり状況は変わってないので、まあ、別に今からでも遅きに失するということはないでしょう。それより今から始めるというのが大きなアドバンテージになるかもしれませんよ。ならないかもしれませんけども。
posted by 円卓P at 20:25| Comment(0) | ゲームデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする