2019年11月09日

数寄ゲームズ新作予想クイズ「地下迷宮と5つの部族」編 当選者の発表!



 発表が遅くなりまして申し訳ありません! 数寄ゲームズダイレクトでの正解発表ということもあり、その後の発送作業等に忙殺されておりました。

 さて、先日、#数寄ゲームズ新作予想クイズと題しまして、ゲムマ秋にて発売される数寄ゲームズの新作について予想クイズを行いました。その時のツイートがこちら。




 はい、リメイク元となる「命中」が正解だったのですが、リメイクかつトリテという限定から回答が難しい設問だったかもしれませんね。ヒントを出しすぎると却って回答の幅が狭くなり、ヒントがなさすぎると掴みどころがなさすぎて難しくなる…… というところもあり、この辺の機微が大変難しいところです。

 他に多かった回答は「ノコスダイス」でした。結構そういう声は多く聞かれるんですがどうなんでしょうかね。

 正直、こういうイベントに関しては当たりかハズレかどうでもいいけど、貰えたら嬉しいゲームをつぶやくぜー! くらいの気持ちでも全然いいかと思います。まあ、見てるのぼくだけじゃないですしね。多分。

 欲しいゲームをつぶやくのは色々な意味でいい方向に影響するのではないかと思っています。

 さて、今回の#数寄ゲームズ新作予想クイズでは「クイズの正解者1名」と「RTをした人1名」の合計2名を当選者として抽選を行いました。なお、クイズの正解者は2名、RTをした人は全94名でした。正解率は6%くらいだったので、もうちょっとゆるくてもよかったかも。

 そして厳正な抽選の結果……





 クイズの正解者の中では、0da(@wanodawan)さんが見事当選いたしました。おめでとうございます!

 また、RTして頂いた方の当選者は、槇田和之(仮)(@MakitaKazuyuki )さんです。おめでとうございます!

 当選されたお二方には後日「地下迷宮と5つの部族」の製品版をお送りさせていただきます。なお、まだ現物が届くのがゲムマギリギリなこともあり、発送はゲムマ後とさせていただきたく存じます。よろしくお願いします。
posted by 円卓P at 13:16| Comment(0) | 告知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Günter Burkhardtの技巧派トリテ「命中」をリメイクした「地下迷宮と5つの部族」を出版します



 というワケで表題通りなんですけども、トリックテイキングゲームレーベルNo.003として、「命中」をリメイクした「地下迷宮と5つの部族」をゲムマ秋に販売できるように祈っています(もうあとは納品を待つだけなので)。

 プレイ人数は3-5人、対象年齢10歳以上、プレイ時間は30分となっています。イベント価格2000円、数寄ゲームズの他のゲームと同様にその後は一般流通に乗せたいと思っていますが、その際の価格は未定です。今回ちょっと頑張ってしまったので、これまでのシリーズより価格は若干高くなるかもしれません。


 画像クリックで大きな画像が見れます。

 アートワークは描き起こしです。「知略悪略」と同じベルリナーシュピールカルテンが原版の出版社ということもあり、データが残っていなかったので一新を図りました。

 逆に言えばフリーハンドの余地も多かったので、じゃあ、テーマも刷新してみましょうかということで今回は冒険者テーマを載せる形になりました。

 アートワークについてはいくらでも語ることがあるんですが、それだとなかなかゲーム紹介ができないので、それはまた後述します。


 さて、「命中」のリメイクです。良くも悪くもついにここまで来てしまったかという感が否めないんですが……(笑) もう趣味ですよ趣味。

 とは言え、このゲーム、当然ながら出版の意義があると考えたからこその選択でして、他のトリテにはないユニークな魅力が詰まったゲームでもあります。やはりこれもトリテのマスターピースの一つであると考えています。

 このゲームも「知略悪略」も「トランプ、トリックス、ゲーム!」も作風は全然違うんですが、共通点が一つあって、それはトリテが苦手な人にも触ってもらいたいトリテ、ということです。


 非常に多くの事例を耳にするトリテ話なんですけども、「トリテは苦手だけどスカルキングは好き」という感想があります。先日「スカルキング:レジェンド」の日本語版が出ましたね! 素晴らしいことだと思います。

 で、これを更に深堀りしていくと出てくる感想が「スカルキングは手札が弱くても勝てるから好き」です。

 ここが! 実に! 重要な! ポイントで!


 つまり、トリテが苦手な人は「手札が弱いと負けるからイヤ」なんです。


 逆に手札が強ければ勝てるけど、手札で勝ち負けが決まるなら、結局それって手札運に左右される運ゲーじゃないのと。

 「……え、いや、そんなこと言ったってトリテってそういうもんでしょ?」ってなるんですよ。我々トリテ民の思考としては。

 手札運に対しては「強い手札はヒャッハーして、弱い手札は蜂の一刺しを狙う、それがトリテでしょ?」と考えるんです。強ければ強いなりの面白さ、弱ければ弱いなりの面白さ、両方がしみじみと味わえる侘び寂び。それがトリテの良さですよ。はい、それはぼくもそう思います。


 が! 「手札運はありますよね?」と言われたら、く、苦しい! すみませんその通りです! 逃げようがないです!

 トリテ民は、あのスヌーピーの有名なセリフ「配られたカードで勝負するっきゃないのさ…」を全肯定というか諦めて受け入れているワケですが、トリテに限らずボドゲというものは言ってしまえば娯楽なので「バーロー、そんな理不尽は人生だけで十分じゃ!」と言われれば、「はい全く仰るとおりでございまするー!」と白旗を上げざるを得ないワケであります。……これはトリテの立場の弱さの原因の一つです。


 なので、手札運へのエクスキューズ。これが近代的なトリテには常に求められています。

 手札が強いから勝てる。手札が弱いから負ける。予定調和のゲームはもはや時代遅れなんですよ。まあ、このゲームは元々1999年に発売されたものなんですけども……


 なので! このゲームではそうした手札の不平等を解決するための画期的な方策を取り入れました。それがカードの購入です。

 はい、ようやく話が戻ってきましたが、このゲームの一番ユニークなポイントはトリテをする前に点数を支払ってカードを購入するフェイズがあるということです。自分で購入した8枚のカードでトリテをするんです。

 フレーバー的には切り札や高ランクのカード、つまり強い冒険者は雇用するためにより多くのお金と時間が必要となり、弱い冒険者はタダでもホイホイついてくる、みたいなイメージです。


 ランク10は最強! 強い!

 まあ、カードのめくり運の多寡はあるにせよ配り運よりは平等で、かつどのカードを購入するかはプレイヤーに選択権があるので納得感があります。「大枚はたいてその冒険者を雇ったのはさっきのキミでしょ?」と。


 切り札が緑なら緑2も強カード。

 そしてこのゲームでは、このユニークな特徴であるカードの購入をさらに悩ましくする仕掛けが施されています。それが次に続く手役の公開フェイズ。ゲーム的には「パーティ編成フェイズ」となります。

 カードの購入が終わった後、プレイヤーは全員、ポーカーのような手役を公開することで即座に得点を獲得することができます。この役はすごくシンプルな作りで、要は同じランクの組み合わせ、ワンペア、スリーカード、フォーカード……みたいな感じで、複数の冒険者を組み合わせてパーティを編成するイメージになります。


 中途半端なランクでも同じランクを集めたい。

 このゲームの得点手段は大きく2つ、この「パーティの公開」と次のフェイズで説明する「トリックの勝利」とがありますが、極論すればこのゲームはトリックを取らなくてもパーティ公開で得点を稼げば勝てるゲームです。

 なので、一人の英雄に賭けるか、チームワークで勝負するか、どちらの方向性でパーティを整えるかの選択肢がプレイヤーには用意されているワケです。

 単純に強いカードを集めれば勝てるワケではなく、誰もが必要としない空気のようなカードを集めることでも得点を重ねることができる。カードの価値にもう一つの軸が加わったことで、カードの購入の味わいを広げているのがさすがのブルクハルトの手腕と言えましょう。さすブル。


 さて、こうした手役の公開。メルドとも呼ばれるこの概念は近代的な商業トリテにはほとんど見られないものですが、伝統的なトリテではその存在が散見されます。

 おそらくはポーカーとトリテを一緒に楽しむ的なイメージで遊ばれていたと思うんですが、近代的なゲームに親しむ我々からしてみると普通のトリテに比して手札運がさらに強調されていて、ゲームになるのかそれ?(=平等性は担保されているのかそれ?)と疑ってしまう向きがあります(あるいはこの眼差しはトリテを知らない人がトリテに向けるそれと同種かもしれません)。

 もちろん、そうしたゲームはパブゲームの性質が色濃く、競技というよりはギャンブルに寄っているので、運要素への傾斜はその場では問題にはならないんですが、面白いのはそうした本来ギャンブル性を高める手役の公開というメカニクスをカードの購入というメカニクスと組み合わせることでむしろランダム性へのスタビライザーとして機能させているところで、こういう掛け合わせの妙味にぼくはやはりブルクハルトの力量を感じるのです。さすブル。


 まあ、何が言いたかったかと言えば、このゲームは極めて競技性の強いトリテだということです。で、おそらくそれは現代の我々が望むトリテのプレイフィールに極めて近しいのではないか、と考えています。

 ただまあ、これはぼくの仮説なので、果たしてこのゲームが本当にその通りに受け入れられるのかは実際に試してみないとわかりません。とは言え、これまでの2作を見てみる限り、ぼくの仮説はまんざら間違ってもいないんじゃないかと感じてもいます。このゲームを求めている人は絶対にいるはずです。


 あ、そうそう。パーティを公開した後に最後のフェイズがありました。トリックテイキングフェイズです。

 マストフォロートランプありで8トリックをやります。以上。さすブル。


 ……いやまあ、この部分は本当にひねりも何もないどストレートなシンプルトリテなんですが、まあ、ここまで色々な要素を盛り込んだ上にさらにトリテまでひねりを加えると今度は食い合わせになるんでしょう。

 ただ、システムこそシンプルなトリテですが、お互いの手の内はまあバレバレですから、極めて意地の悪いトリテのテクニックがそこかしこで炸裂する面白トリテが楽しめます。切り札狩りなんかも考えただけでワクワクしますよね。


 ちなみにゲームは66点を獲得したプレイヤーがいた場合、ダンジョン深部に安置された聖杯を獲得したことになりゲームに勝利します。66点ピッタリでなくても61点から70点までの範囲で得点を獲得したプレイヤーがいれば、その時点でより聖杯に近い場所にいたプレイヤーが勝利します。



 ちなみにこのダンジョン、ワープの罠が仕掛けられていて、80点をオーバーすると41点の地点に飛ばされてしまいます。あまりに強い冒険者はその本能から無闇にダンジョンを突き進んでしまうので、最後の微調整には神経を尖らせる必要があるでしょう。




 さて、ゲームの紹介が一通り終わったのでアートワークの話をしましょう。「地下迷宮と5つの部族」のアートワークはこのトリテシリーズで毎度お世話になっている別府さいさんの手によるものです。

 今回は冒険者とダンジョンというテーマの選択から、カードに冒険者を割り当てることは決まったのですが、ぼくの当初の考えは「知略悪略」と同様の1スート1キャラクターというものでした。

 ただ、別府さんから「ぜひやりたい!」との申し出を頂き、50枚のカードすべてに異なるキャラを当てる、オールユニークの構成でなんとも華やかで賑やかなゲームに仕上がりました。

 こういうキャラクター満載のゲームはどうしてもキャラを大きく描きがちで、結果として必要な情報が読み取りにくくなることがあります。「細かく描き込まれたキャラの魅力を損ねるのでは?」という気持ちをグッと堪え、今回は敢えてキャラは小さめに、背景色の面積を広くして遊びやすさを担保しています。


 さらに得点トラックとなるボードも地上の建物やダンジョンの奥深くまで細かく描き込まれた力作です。トリテを遊んでいる時に聞かれる「これってどんなゲーム?」という質問は、結構答えにくかったりもするんですが(マジで困るゲームが2,3で収まらないので困る)、これなら傍からパッと見でもゲームの目的がわかるので、テーマ選択の貢献が大きい部分ではないかなと思っています。

 同じような話で、いざこのゲームを遊びたいと思って同卓者にプレゼンするときも「ギュンター・ブルクハルトの絶版トリテのリメイクです!」でノッてくれる人はまあ少数派なワケでして、やはりフックを増やしたほうが遊べる機会も増え、結果としてよいゲームが遊ばれる機会が増えるのではないかと考えています。


 布製のボードは、アートとして美麗さを保ち、なおかつ得点トラックとして機能性を持つデザインを色々と苦労しながら模索したものです。「ダンジョンのそれぞれの階層でガラリと風合いを変えようぜ!」というのはぼくから出した提案で、「世界樹の迷宮」の影響が強いんですが、これが一枚絵としてはカラフルで見栄えがいいんですけど得点トラックとしては統一感がなさすぎて使いづらいという欠点も抱えていまして、このジレンマを解決するためには相当な苦労がありました。


 ボードのラフ。この頃はええ雰囲気じゃないですかと素直に喜んでたんですが……



 背景を描き込んでみると得点トラックの機能性が弱まるので得点マスを明確化するとか。



 あるいは色彩も統一して得点トラックに徹するのはどうかとか。



 いやー、言うてもキレイなボードで遊びたいんで、こんな感じでどうですかと提案。フォントがしょぼいのはぼく提案だからです。



 そんじゃこんなんで? こんなんで? を繰り返す暗中模索。



 最終的には得点マス自体を除くという解決を見ました。


 やはり遊ぶなら美麗なボードで遊びたい。その上で機能性ももちろん必要というのは贅沢な要求ではあって、なんで原版がノンテーマに近い内容なのかいう理由もわかった気がしました。

 ただ、これってアートだけに限らずシステムでもよくある話で、いいシステムはできたけど合致するテーマが見当たらない! というのはトリテ作りあるあるです。

 これはトリテの逃げられない宿命だと思っているので、苦しいけど精一杯向き合うしかないなあ、と腹を括っています。正解か間違いかはともかく、現時点での答えはこれです、というのだけはハッキリと提示しよう、とは常に思っています。


 ボードに話が及んだので製造の話もしましょう。今回、得点トラックを布ボードとして用意したのは夢物語の一つの実現ではありました。

 「もし『命中』がリメイクされるなら得点トラックはボードであって欲しいよね〜!」という理想に対して「そりゃあ確かに嬉しいけど、でも大人の事情で無理じゃんよ〜!」みたいな複雑な思いは当然あったワケです。

 原版はまあ、チープさすらも味わいがあるんですが、それはゲームへの過剰な思い入れの産物という側面もありまして、2019年の基準で冷静に考えればその再現はやはり逃げの選択にも見えるワケです。知らない人が見たらやっぱりちょっとガッカリしてしまうし、ゲームの本質と離れた部分で評価を下げてしまうのはあまりにゲームが勿体ないと思いました。


 なので、予算を考えれば現実的ではない。それが答えでした。……1年前までは。


 この1年間、もっと言えば、同人からゲームを作り始めた5年間の蓄積がこの夢をようやく現実のラインにまで押し上げました。成功するか失敗するかはわからないけれど、チャレンジはできる、までは辿り着いたんです。

 傍目には全然わからないと思うんですが、ぼく内部のボードゲームの作り方はガンガンアップデートを続けていまして、一年前、自分の中の製造ノウハウのベストを尽くした「知略悪略」ですら、今では次善の手法になっています。

 つまり、それってトリテシリーズが続いたからこそ、続けたからこそ、辿り着けた世界線なんです。やらなかったら、できなかった。

 そこから言えることは、ここでもう一つノウハウを積み上げることで、もっと豊かな世界線に移れる可能性がある、ということでもあります。現時点では無理であっても続けることで可能性の領域を少しずつ広げていくことができます。


 実は「トランプ、トリックス、ゲーム!」で、物凄く悔しい思いをしたことがありまして、それは購入した方からの「原版にはあったカードのエンボスはないんですか?」という問い合わせでした。

 「ないです。申し訳ないですが仕様です。」と答えるしかありませんでした。「トランプ、トリックス、ゲーム!」は、特にファランクス版との相違が少ないこともあるため、余計に目についたのではないかと思います。


 今回のカード、実は、エンボスあります。多分あるはずです。



 多分、というのはまだ手元にないから確認できていないだけで、仕様としてはあるはずです! 写真ではエンボスあったんで大丈夫だと思うんですけど……

 だから、そう、これも可能領域の拡大の一つなんです。これが「トランプ、トリックス、ゲーム!」でもできていたらなあ、という思いはもちろんあるんですけども、そこまで待っていたら今「地下迷宮と5つの部族」にはチャレンジができていなかったので。

 細かく説明するとめちゃくちゃ長くなってしまうんで割愛しますけど、「トランプ、トリックス、ゲーム!」を作ったからこそ「地下迷宮と5つの部族」に挑戦できた。実はそういう因果関係があるんです。


 なので! どうか次の因果を結ばせて欲しい! これはぼくの切なる願いです。一年前のぼくは「命中」をリメイクすることになるなんて全く思ってもいませんでした。「いや、無理だから。色々と。」

 ということは、来年には今考えてもいないゲームを手掛けているかもしれないワケです。この考えを面白いと思って貰えるなら未来を買うつもりで1個買ってもらいたいワケです。


 あと、この布ボードを入れるにあたって「シリーズものなので、箱はアミーゴサイズから変えたくない」というジレンマが浮かび上がったのですが、そこは「よし、そんなら箱の厚みを2倍にしよう!」という力技で解決を図ることにしました。

 この力技を実行できたのも、やはり製造ノウハウの蓄積があってこそなので、振り返ってみれば、無理だと思っていたことを一つ一つ潰して来た結果がようやく繋がったんだなあ、よくできたもんだなあ、と思っています。

 小箱と言いつつ体積的にかなりの存在感を持つゲームになったのではないかと思いますが、まだ現物を見ていないのでそこはわかりません!


 そんなワケで「地下迷宮と5つの部族」は現時点でのベストを尽くしたと心から思っています。

 前回の「トランプ、トリックス、ゲーム!」は間違いなく面白いゲームではあるんですけども、レア加減で言えば中くらいというか、まあ、某S屋で5000円くらいで手に入らないこともないくらいの感じで、ゲーム自体の販売コンセプトはどちらかと言えばまだトリテを知らない人向けの提案という側面が強かったんです。

 ただ、今回の「命中」原版は某S屋ではそもそも出品されないレベルのレア加減なので、知らない人向けというよりも知ってる人に向けた提案になります。まあ、これまでの2作に付き合ってくださった方々への恩返しという側面もあります。

 ただ、もう、これは前2作に比べても完全に趣味に走ってるなーという風情も否めないので。改めてこのシリーズの継続のためにもぜひ! どうか! 購入をご検討ください! ストレートに言えば買ってください!

 ……毎回毎回「コンヤガヤマダ」と言ってる記憶がありますが、まあ、例によって今回も続くか否かの分水嶺です。しかしこれが受け入れられるようであれば、やっぱり色々できるチャレンジも広がるので、もう買ってちょうだい! としか言いようがありません。

 今だからこそできる、今求められている、今こそ必要な、トリテです。ぜひ、ゲムマでお買い求めください!


地下迷宮と5つの部族
ゲームデザイン:Günter Burkhardt
アートワーク:別府さい

プレイ人数:3−5人
対象年齢:10歳以上
プレイ時間:30分

イベント価格:2000円
posted by 円卓P at 12:51| Comment(0) | 地下迷宮と5つの部族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月08日

「Aquatica/アクアティカ」紹介



 「アクアティカ」は、「スマートフォン株式会社」で一躍脚光を浴びたロシアのCosmodrome Games/コスモドロームゲームズの発売した今年のエッセン新作だ。デザイナーはこの作品がデビュー作となるIvan Tuzovsky。「スマートフォン株式会社」のデザイナーのIvan Lashinとは同名のイワン違いだが、Ivan Lashin自身もこのゲームのデベロップに参加しているらしくクレジットにその記載がある。

 テーマ的にはプレイヤーは海の王の一人となって、アクアティカ大王国の偉大な支配者になるために繁栄ポイントを稼ぐことが目的となる。タイトルの「アクアティカ」とは、どうやら「神聖ローマ帝国」みたいなそういう造語らしいw


 ゲームの終了条件は大きく2つあり、「いずれかのプレイヤーが4つの目標を達成する」か「シーフォークかロケーションの山札が尽きる」ことで、終了トリガーが引かれる。終了トリガーを引いたプレイヤーは最後にもう1回アクションできるので、基本的には終了トリガーを引いたプレイヤーが有利だ。このゲームは目標を人より早く達成することで、より高い繁栄ポイントを獲得できるので、最速の達成手順を探るレースゲームの趣が強い。

 で、基本ルールの4つの目標は、「手札を10枚まで増やす」とか「1つのタイプのロケーションを4枚獲得する」とか、さほど意識せずとも自然と達成できるように設定されている。なので初回プレイでは「あ、オレ目標達成できてるわ」ってなことがありがちw 目標達成を意識してゲームを展開できるようになればアクアティカ初心者を脱却できたと言っていいだろう。

 この目標は基本ルールで4種用意されているのだが、これらを個別に入れ替える上級ルールにはかなりひねった「お題」も含まれているので、どの順番で解決するかが腕の見せ所となるだろう。基本ルールは思ったよりもサックリと終わり、人によってはそれが物足りなく感じるかもしれないが、上級ルールではもう少しじっくりとした盤面作りを要求されることになる。

 直接的なインタラクションはさほどないのだが、目標達成の遅れが大きな差に繋がるので、自分と他人の進行状況を両睨みしたジリジリとした緊張感があるゲームだ。今風の中量級ゲームの王道デザインで、「スマートフォン株式会社」もそうだったが、このメーカーはどうも新興メーカーとは思えない垢抜けた都会っぽさがあるw

 プレイヤーの手番では、メインアクションとして1枚のカードをプレイし、追加のフリーアクションを任意に実行する。
 メインアクションで使用するシーフォークカードは、初期手札として全員共通の6枚のカードと固有の能力を持つ「海の王カード」が1枚ある。特に海の王カードの効果はどれも強力なので、勝つためには海の王カードの強みを活かした戦略の組み立てが必要だろう。上級ルールでは海の王カードのドラフトも選択することができるのでゲームに慣れてきたらこのバリアントも面白そうだ。


 王の一人「簒奪者ザンダー」。色々な効果が発動するよくばりセット。

 プレイされた手札は効果を処理したあとで捨札置き場に置かれる。捨札は初期手札の1枚である「マトロナ」をプレイすることで全て回収できるのだが、この辺りの挙動は少しゲームを齧っている人なら「コンコルディア」の手札循環メカニクスと言えば一発で伝わるだろうw


 妊婦さんっぽい「マトロナ」。名前の元ネタは帝政ローマ時代の上流階級の既婚女性、らしい。

 また、ゲーム中には個別の能力を持つシーフォークを「雇用」することによって手札のバリエーションを増やすこともできる。これらのカードは9種3セットと数字で見る分にはさほど多くないのだが、どれも特徴的な能力を持っているので使いこなしたい欲を掻き立てられる。


 ロケーションの獲得はこのゲームの重要なポイントだ。このゲームの物語設定は「資源が枯渇したので新しい土地を探して支配しよう!」というものだが、そのテーマ通り、システムにおいても太い幹として屹立するのがこのロケーションだ。

 ロケーションには様々な役割があり、ゲーム中のお金となる「武力」と「コイン」を生み出す役割もあれば、フリーアクションを提供する役割もあり、ゲーム終了時の得点にもなれば、ボーナスでマンタを与えてもくれる。

 まあ、とにかく様々な特典がロケーション経由で与えられるため、ゲーム的にも疎かにはできない存在で、「上昇」を絡めたメカニクスにもこのゲームならではの独自性がある。

 大体このゲームの特徴なコンポーネントでもある3層プレイヤーボードはこのロケーションを活かすためだけに設計されたものなので、それだけでもロケーションの重要性がわかるというものだw

 逆に言えば、それだけてんこ盛りの要素をカード1枚に閉じ込めたところにデザイナーの手腕が伺える。ただまあ、情報が多すぎて初見では何を重視していいのかがわからないw まあ、コストの高いロケーションは強いんだよぐらいの感覚でいいと思うw


 3層プレイヤーボードと差し込まれたロケーションカードの図。

 ちなみにロケーションの争奪戦は予想以上に激しい。自分が欲しいと思ったロケーションが手番が回って来る前になくなることもしばしば。この辺りはプレイ人数によって大きく変わってきそうだが、特に4人戦は盤面がダイナミックに動くだろう。

 少なくなったロケーションを補充する能力を持った「海竜騎兵」というシーフォークカードもある。あるにはあるのだが…… この手のアクションは実行した下家のプレイヤーが一番得な立場になるので、どうせなら上家に打って欲しいカードだw なので、ゲーム中は「誰かロケーション補充しろや!」という牽制も起こるw


 英名Sea Horseをそのまま訳すとタツノオトシゴになってカッチョ悪いので無理矢理「海竜騎兵」と訳したという事情がある。

 「海竜騎兵」は、補充と同時にロケーションを獲得できるので利点も大きいのだが、コストを支払うための十分なリソースがないと仕掛けにくい。ロケーションをめくった上でちょうどいい塩梅で獲得できるロケーションがあればいいが…… まあ、リスキーではあるw


 それゆえに受けを広くするためにも手元のリソースを増やすことに執心しがちなのだが、ロケーションをバンバン獲得した結果、プレイヤーはあることに気づく。「しまった、もうロケーション置く場所がない!」

 ロケーションを配置できるスロットは5枚分あるのだが、リソースを消費して出し殻になったロケーションはその後もスロットを占有し続ける。このロケーションを取り除くためには「上昇」や「得点化」のアクションが必要になる。

 ただ、ここが大変憎らしいところで…… 得点化に主に使用するシーフォークカード「波の語り手」は「2枚のロケーションを得点化できる」。となれば、1回のアクションで2枚のロケーションを得点化できるようにカチャカチャ準備しないとなんかムダっぽく感じるワケだ! リソースマネジメント欲をくすぐられる細かいながらもいい仕事と言えるw


ロボトミー/Lobotomyされたかのようなデザインの「波の語り手」。ペットのウツボがチャーミング。

 1回使った「波の語り手」は手札を回収するまで使えなくなるのでやはり無駄には打てないという制約もあり、台所事情は常に苦しいw ゲームが進む度にあの手この手でプレイヤーに課題を与えてくるので大変めまぐるしい。

 ロケーションには完全上昇させることで野生のマンタを得られるものもある。マンタはリソースやフリーアクションを提供してくれるのだが、このゲームはリソースの制約が厳しいゲームなので使用条件のゆるいマンタの存在はありがたい。

 例えば「得点化」を持つマンタはカードと違って1枚のロケーションしか得点化できない。単純なパワーは小さいが裏を返せば小回りが効くので重宝する。

 このように野生のマンタには貴重なアクションを提供するものもあり、また目標達成にもマンタを消費するので、マンタはあるに越したことはない。マンタが貰えるロケーションを優先的に獲得するのも一つの手だ。


 とまあ、こんな感じで、ロケーションの獲得と得点化を繰り返していくと自然と目標が達成されていく。ゲーム終盤の展開は思ったよりも早いので無駄なく手番を使わなくてはならない。特にロケーションを得点化できないままゲームが終わってしまうともったいないので風呂敷を広げるよりも畳む意識が大事だw


 幹となるメインアクションを中心に枝葉となる多数のフリーアクションで補完するシステムは当世風のゲームによく見られる作りで、簡便さと奥深さを両立した機能的なデザインだ。ルールを読む限りではサッパリとしたゲームかなと思わされがちだが、実際に遊んでみるとフリーアクションの使い場所と組み合わせのパズル感でかなりのコクがある。

 ただ、このコクは人によってはアクにも感じるかもしれない。ロケーションもただ使えばいいだけでなく、将来を見越した進め方が求められるので効率的に手を進めようとすると考慮すべき要素の数に圧倒されてしまうかもしれない。

 とは言え、ゲーム自体は手札が2巡する頃には終わるので短く深く知的勝負を楽しめるという意味ではよい塩梅なのだろう。アクもなければコクもないサッパリしすぎたゲームよりは「ここを楽しませたい!」というポイントが明瞭で好感が持てる。

 エッセン新作のBGG人気を表すGeekBuzzではまさかの第2位を獲得し、いやいや、これファミリーゲームじゃないの? と思っていたのだが、遊んでみると根はゲーマーズゲームでその辺りがギークに支持されたのかもしれない。


 欠点を言えばプラ製のマンタが造形的には細かくてデキがいいのだが、肝心のアイコンが一色刷りで見づらいことだ。そこは大事なところだろ! こう考えてみると「アズール」のリッチさと視認性を両立させたコンポーネントはよく考えられているw

 これ、立体に拘らずにパンチボードの厚紙タイルとかにすれば視認性の問題も解決したんだろうけど、多分それだと今のアメリカ市場の要求からはチープに映っちゃうんだろうなあ……w なまじ3層プレイヤーボードというコンポーネントをウリにしたゲームという側面もあって、なかなか手を抜きづらい事情はあるんだろう。

 あと、微妙にボードのくぼみとカードのアイコンがズレているのも気にはなる。まあ、それで遊びにくさを感じることはないんだけど、「スマートフォン株式会社」と同様、作りの詰めが甘いところが散見されるw まあ、実際作るのは大変なんだろうなあというのはわかるんだけど。


 とまあ、気になるのはそれくらいで全体としては質がいいと思う。「スマートフォン株式会社」もそういうところがあったのだが、「宝石の煌めき」辺りからもう一歩ゲーマーズゲームに踏み込みたい、という人に適したゲームなんじゃないかな。

 販売は数寄ゲームズ通販サイトで行っている他、ゲームマーケット秋でも扱う予定なので気になる方はどうぞ。多少の原語依存があるので今回はカードに貼る和訳シールも同梱してます。

 一応セールストークを付け加えておくと、今回販売分にはエッセン限定のプロモカードが2種入っている。プロモカードの類は本当に入ってるのか怪しくてあんまり触れてなかったんだけど(「アンダーウォーターシティーズ」でデータ入稿までしたプロモカードが外付けだったという経験もあり)、なかなか面白い効果のカードなのでプレイの幅が広がりそうだ。

 このゲーム、コスモドロームゲームズに無理を言ってエッセン販売分のうちのいくつかを回して貰ったんだけど、エッセンでは2日目だか3日目で完売になったらしいので、いやー、ちょっと申し訳ないなーとも思ったり。ただ、それだけ日本のファンに楽しんで欲しいとも言っていたのでぜひ試してみてもらいたいね。
ラベル:aquatica
posted by 円卓P at 12:10| Comment(0) | 告知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月07日

「シティオブザビッグショルダーズ」プレオーダーのお知らせ



プレオーダーの応募フォームはこちらになります。

 先日入荷しましたParallel Gamesの「City of the Big Shoulders/シティオブザビッグショルダーズ 」は大変なご高評をいただきまして3日足らずで入荷した全数を販売しました。
 その後、拡張の「Burden of Destiny」も含めて再入荷については問い合わせを多く頂いておりまして、Parallel Gamesには再入荷の要望を伝えています。その回答は下記の通りとなります。

1. 拡張 「Burden of Destiny」は若干の在庫があるため、日本に発送可能。
2. シティオブザビッグショルダーズ本体はメーカー在庫切れのため来年に再生産を予定している。

 ということで、拡張「Burden of Destiny」は、少数ながら再入荷を予定しています。ただ、少量入荷のため送料への負担が大きく、初回入荷の3850円での販売は難しいかもしれません。

 また、本体及び拡張の再生産後には再入荷を行う予定です。そこで事前予約となるプレオーダーの受付を11月末日12月20日まで行います。シティオブザビッグショルダーズを確実に入手したいという方はプレオーダーのご利用を強くオススメします。

 価格は、
・基本のみ 10450円(税込)+送料(全国一律1000円)の11450円
・基本+拡張 10450円(税込)+3850円(税込)+送料(全国一律1000円)の15300円

 となります。プレオーダーでは上記の支払いは必要なく、実際のお支払いは販売時期が固まったところでお願いいただく形になります。支払い方法はPaypal(含むクレジットカード)、銀行振込のいずれかになります。

 販売時期は2020年の5月から6月を見込んでいます。あくまでこれは予測なので、販売時期が前後にズレる可能性があります。
 また、2刷でゲーム内容には変化はないとのことですが、説明書の記述を若干明確化するとの話を聞いています。

 プレオーダーの応募フォームはこちらになります。応募された方への自動返信メールの返送をもって受付完了とさせていただきます。
 また、現時点では住所等の個人情報は必要ありません。お支払いの段階で改めてお問い合わせいたしますのでよろしくご協力お願いします。

 前回のプレオーダーではこちらからの連絡が届かないといったご連絡がいくつか寄せられました。お申し込みいただくメールアドレスに関してはPCからのメールの拒否設定を解除いただくようにお願いします。連絡がつかないとプレオーダーにお申し込み頂いても商品をお届けすることができなくなります。


 Q:卸の予定はないんでしょうか?
 A:掛け率XX%(一般的に見て高めの掛け率)でいいならお声がけいただければ検討します。

 Q:領収書の発行は可能でしょうか?
 A:販売前に発送先をお聞きすることになると思いますが、その時にその旨お伝えしていただければ発行します。

 Q:複数個注文した場合でも送料は一つ一つ1000円になりますか?
 A:発送先が1箇所なら送料は1000円になります。別々であれば1個につき1000円です。

 Q:手渡しは可能でしょうか?
 A:長野市近郊で顔見知りの方ならお渡しできます。
posted by 円卓P at 12:24| Comment(0) | 告知 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月06日

Aquatica / アクアティカのカードテキストの不備及びプロモカードの画像データの提供

・「マンタの指導者」テキストの不備について



 先日販売を始めましたAquaticaのカードテキスト和訳に不備がありました。深海マーフォークカードの「マンタの指導者」において、本来「征服」と記述すべきところを「獲得」と記述していました。翻訳の不備をお詫び申し上げます。
 テキストを修正した画像データを公開しますのでご利用ください。

・プロモカード用画像データの公開

 また、現在販売中のAquaticaはエッセンシュピール限定のプロモカード2種が含まれていますが、付属のカードシールにはこのプロモカードのシールが含まれておりません。そこで、プロモカード用の和訳データを修正データと一緒に公開します。必要な方はご利用ください。

 ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。


※コンビニプリントなどで使えるPDFファイルです(重い)
プロモシール.pdf

※家庭用プリンターなどで使える画像ファイルです(軽い)
プロモシール.png

・ソロプレイルールのエラッタについて

https://boardgamegeek.com/thread/2299908/question-about-solo-variant

 このゲームの編集者でもあるIvan Lashinのコメントによると、ソロプレイルールにおいてイクチアンダーズのマンタを配置する条件の記述にエラッタがあるとのことです。
 ルールブックでは「ただし、Matrona のカードをプレイするたびに、目標トラックにイクチアンダーズのマンタを 1 つ置かなければなりません。」としていますが、「ただし、Matrona のカードをプレイするたびに、または探索を行うたびに、目標トラックにイクチアンダーズのマンタを 1 つ置かなければなりません。」が正しいようです。
ラベル:エラッタ aquatica
posted by 円卓P at 12:04| Comment(0) | マニュアル改訂・エラッタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする