2015年06月24日

「姫騎士逃ゲテ〜」の箱絵が新しくなりました



 まあ、言ってしまえば題名だけで完結する話なので、あんまりテンション高くしてお話するようなものではなく、かと言って個人的にはやりたかったことでもあるので、気持ちの持って行き方が難しいのですが。
 ともあれ。題名の通り、「姫騎士逃ゲテ〜」の箱絵、ボックスアートってやつですかね、これを一新しました。
 今月末から店頭に並ぶ分については新パッケージでの販売となります。また、変更点として箱の表面にもエンボス加工が入りまして、より耐久性が高くなったと思われますので、ゲームショップにお立ち寄りの際にはどうぞ新パッケージをお手にとって確かめて頂ければと思います。
 あ、中身はこれまでの版と同じです。追加のカードとかルールとか入ってるワケではないので、もう持ってるよ、という方はわざわざ買い直す必要はないかと思います。



 とまあ、通り一遍のお知らせはここまでとして、ここから先は個人的な話です。興味のない方にとっては全くどうでもいい話です。

 さて、この新しい箱絵計画が動き出したのは、ちょっと記録を調べてみると…… 4月27日のことだそうです。春ゲムマの前ですね。
 個人的にはもっと前から箱絵を一新したいなという気持ちはありまして、それは初版の「姫騎士逃ゲテ〜」のボックスアートがゲーム素材の流用で成り立っていたせいだったりします。しかもぼくお手製の配置という、どうにも締まらないデザイン……
 なんかこう、ゲームには全く使われない一枚絵が欲しいなと。ゲーム世界を反映する贅沢な一枚が欲しいなと。そう思いながらも実現できなかったのは、納期的なものと予算的なものと両方の縛りがあったせいなんですが、今回再販するにあたってその辺がクリアになったんですね。
 なのでイラスト担当のバチさんに新しい箱絵をお願いできないでしょうか、と頼んだところ、これが快諾を頂けました。これが4月27日のことになります。もう2ヶ月前になりますね。
 で、そうなると「いつまでにイラストを仕上げればいいんじゃろか」という現実的な話に入るワケですが、ここで大きな未知の変数として春ゲムマが目前に控えていたのです。正直春ゲムマの動きがさっぱりわからん……!
 仮にゲムマ春で在庫が全部捌けてしまうようならすぐに再発注をかける必要がありますし、全然動かないようならゆっくり構えて動けるワケです。要は全てゲムマ次第なので「〆切は1週間〜1ヶ月くらい幅を見て貰えれば……」という適当極まりない回答をしなければならず。まあ、明確な期限があるワケではないので、そこは大らかにやっていきましょうというノリで新箱絵計画はスタートしたのです。


 さて、その2日後、さっそくバチさんからラフが届きました。早いよ!



 完成形と比べるとほぼこの時点で概ねの構図はできています。が、ここは心を鬼にして「姫騎士の面積もっと大きくして欲しい!」とバチさんにリテイクを投げました。この最初のラフでもキャラクターの性格はバッチリ出ていたのですが、遠目で見ると姫騎士の存在感が若干弱かったのですね。やはり姫騎士はゲームの主役ですんで、そこはもう少し強く押し出しましょう、ということで修正をお願いしたのです。
 で、そのまた2日後に送られてきたのがこちら。




 現行のデザインほぼそのままと言った感じです。姫騎士の足の置き方がちょっと違うんですが。



 あとまあ、バチさんからは姫騎士がカードを持ってるバージョンと持ってないバージョンと2つ提案して貰ったんですが、カードのある方が空間を埋められるんでいいだろうということで(ただしナイトは死ぬ)カード有りバージョンを採択。これで構図は決定しました。
 ちなみにナイトさんの扱いが大変軽いというか雑ですが、これは「構図難しかったらナイト抜いてもいいっすよ」という無慈悲な通達に負けずにバチさんがねじ込んでくれたものです。ナイトさんよかったね!(いけしゃあしゃあと)

 さて、時は過ぎて5月5日。懸案のゲムマです。このゲムマ次第でデザインの完成を急ぐべきかどうかが決まるという関が原です。
 で、フタを開けてみたら「姫騎士逃ゲテ〜」は、ほぼ完売してしまいました。その後ショップさんからも問い合わせがあって手持ちの在庫はほぼスッカラカンという事態に。

 こ、これは早いところ再生産に入りたい……! ちょっと焦り始めたぼくですが、じつはこの時期、箱絵の製作は停滞していました。
 というのは、箱の印刷所さんに依頼したテンプレートが届かない……! 後で確認したらゲムマの諸々に忙殺されてたそうで、いやまあ、それはそうだよねと。
 姫騎士の足が箱の側面にはみ出るデザインも印刷上の問題がないか、印刷所さんと相談していたこともあり、なかなかバチさんの方の作業が進まなかった時期でもありました。



 で、下書きが上がってきたのが5月12日のことです。うおー、これはいい感じ! 素早くOKを出して塗りに移って貰います。



 そしてほぼ完成形がこちら。5月15日のことです。ザコオークの質感が凄い! ラフの段階から愉快なオークさんだったんですが、塗りが入ってよりぎゅうぎゅう詰めの感触が出て面白くなりました。

 しかしながらよーく見てみると、2つほど気になる箇所が。
 1つはボスオークの目がですね……怖いというか弱いというか。描き終わってからなんなんですが、もうちょっと眼力欲しいなああああ、とバチさんに催促を。
 もう1つが背景ですね。バチさんは「明るく軽やかな感じ」を意図したそうですが、ぼくとしてはちょっとのっぺりしすぎているかなあという印象がありました。下半分の背景がスッキリしている一方、上半分の背景が描き込まれているとバランスとしても不安定感が先立つかなというところもあり。
 背景に関してはラフの段階でもちょっと議論がありまして、空間を埋めるためにグラデーションをかける方がいいとか、黒ベタで埋めたほうがいいとか、色々相談はしていたんですよね。その時キッチリと結論を出さずに、まあ、後回しで、と考えていた問題がここに来て表面化する形になったんですが、ちょっとここは悩むところでした。



 そして送られてきたバチさんの修正案。ボスオークの眼力強い! これは文句なし。やはりこっちのが断然いいですね。
 で、もう一つの問題の背景。今度はバラの柄です。う、うーん……?

「バラは若干浮いているような気がしなくも……」
「花散らしたら姫騎士っぽさもあっていいかなーと」
「花がらだとなんとなくトイレの壁紙みたいだなって思ってしまって……w」
「あー……w」

 トイレの壁紙って凄まじくヒドい表現ですけども、ごめんなさい、ぼく壁紙とか扱う仕事やってたもんで、どうしてもそっち方面に見えてしまうんです……

「先生! 王室のエレガントな壁紙とトイレの壁紙の区別がつきません!」

 ですよねー。トイレの壁紙ってどれも清潔なイメージなので……

 ということで、意外なところでこれは困ったぞと。軽い、明るい、華やか。あと凛々しさ。そう言ったイメージを表現できる背景とはなんぞや。う、うーん、わからーん!



 ちなみにその時バチさんが作ってくれた立体図がこんな感じ。箱の側面に足が飛び出して勢いがある感じです。狙った効果です!(ホントか?)

 ……ということで、何か参考になるものはないかと既存のビデオゲームのパッケージとか眺めてみたんですが、こう、パーティキャラ大集合なパッケージの背景って結構空とか海とかで埋めてることが多いんですね。ゲームのイメージに合わせて真昼の真っ青な感じとか、夕暮れの赤っぽい感じとか、夜の紫だったり色々あるんですが。なるほど、これはいいんじゃないかと。
 ということで、バチさんに海と空で広がりを感じさせるのはどうでしょう、と提案したところ、どうやら見えたものがあったようで、これでようやく完成形まで辿り着くことができたのです。5月17日のことでした。



 まあ、冷静に考えてみると、このゲーム、空とか海の要素全くゼロなんですけどね! 舞台設定は地下牢とか古城とかそんな感じだし……
 しかしまあ、そこはイメージ優先なのです。あまりにパッケージから重々しくしすぎると「このゲームは重厚なゲームを遊ぶ気持ちで遊んでね!」というメッセージになってしまって誤解を生みかねないと思うので、それでこういう形になりましたと。そんな具合です。



 とまあ、こんな感じで完成まで漕ぎ着けた箱絵の製作、結構大変でした。デザインとか本分じゃないですからね!
 これはやっぱりゲームデザインと平行して進めるのは難しいよなあと感じます。やっぱりこの時期になって初めて手を付けられる類の仕事だったのではないかなと。
 ともあれ一仕事終わってホッとしたので、ここからは気持ちを新たに次の仕事に取り掛かる次第です。この労作を今度は世に発信していかないといけないわけですからね。

 さあ、がんばって箱詰めするぞー(死んだ魚の目で)
posted by 円卓P at 20:40| Comment(0) | 姫騎士逃ゲテ〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする